↓着色がプリントバージョン(上の画像は注射器による着色)
【販売場所】
@ミュージアムショップ「BLUE MANTA」内
備考:出口直後にあり入場しなくても購入できるけれども、入場せずにミュージアムショップに辿り着くのが難易度高め。だからみんな入場しようぜ!
日頃の行い
沖縄といえば美ら海である。私は湘南と呼ばれる地域の生まれなので、海というものが珍しくもなんともなく日常の風景の中にごく自然と存在する、いわば何の変哲もないものの一つであった。しかしそんな私が、かつて一度だけ訪れた「美ら海」には、心の底から感動したことを今でも覚えている。
海が透明やん∑(゚Д゚)
という衝撃は、湘南育ちがからこそよりいっそう際立ったのかもしれない。湘南の海は死ぬほど汚い。湘南の海と同じくらい薄汚れて濁っている私の心でさえ「美しい……」と感嘆してしまうほどの偉大さが、美ら海にはあったのだ。
しかし湘南の海のように汚らしく濁った心をもった私であったので、私が沖縄の地に降り立つちょうどその日と、「沖縄が梅雨入りしました〜」とお天気お姉さんが笑顔で告げる日が合致してしまったことは、ひとえに私の日頃の行いのせいであると言えよう。この日沖縄旅行に来ていたすべての皆様、大変申し訳ございません……
【美ら海水族館】は「海洋博公園」内の施設の一つである。「海洋博公園」の海洋博とは、1975年に開催された【沖縄国際海洋博覧会】のことで、その跡地を公園に整備したのが今の姿というわけである。余談だが、博覧会後に跡地を公園にするのはいわば”あるある”で、大阪の【万博記念公園】なんてのはそのまんまなネーミングであるし、愛知の【モリコロパーク】なんかもその一つである。さらに余談の余談だが、【沖縄国際海洋博覧会】は史上最も記念メダルが作られたイベントなのではないかと予想している。お時間あればぜひリンク先をご覧いただきたい。
そういった事情もあり、時間が許されるならば公園内もじっくりと散策してブログ記事を充実させたいところであったのだが、神は私に時間を許してはくれなかった。帰りの飛行機の時間が迫る中、降りしきる雨をものともせず公園内はジョギングで駆け抜け、何かのアンケートに答えて欲しそうだったお兄さんの誘いは振り切り、とにかく水族館へと急いだのだった。
美ら海の生き物は己を知らない者の肥大化した自尊心よりもデカく、雄大である
みんなの憧れの【美ら海水族館】である。水族館といえば【美ら海水族館】、動物園といえば「旭山動物園」である。ちょうど南と北にくっきりと分かれていて、構図として面白い。ただ、旭山動物園には記念メダルがないので記念メダラーたちはスルーしがちである。記念メダルの有無に全ての行動が左右されがち記念メダル愛好家代表として、声を大にして叫びたい。旭山動物園よ、記念メダルを1枚でも良いから作ってくれ、と。
いきなり話が逸れたが、とにもかくにも【美ら海水族館】である。例によって時間がなく、持ち時間は1時間といったところであった。くどいようだが水族館といえば【美ら海水族館】——それほどの水族館を見て回るにはあまりにも時間が足りない。これというのも沖縄を日帰り旅行で制しようなどと無謀なことを考えた計画の破綻によるところが大きい。神は無謀な挑戦をする者を基本的には簡単に許しはしない。
ということで館内は基本早歩きであった。さすがは【美ら海水族館】といったところで、雨だろうが槍だろうが館内は非常に混雑していた。その人波の間を縫うようにして「はい、見た!」「はい、これも見た!」と本当に見学しているのか——旅行の目的とは一体何なのかという記念メダル収集旅において決して考えてはいけないことを頭の片隅でよぎらせながら、とにもかくにもゴールを目指した。へっぽこプレーヤーであった私でも必要とあらばロナウジーニョ並みに迫り来る相手DFを掻い潜ることができるのだ! ボールさえなければ。
総評としてはやはり水族館の雄と評されるだけあってジンベエザメだけではなく見どころが盛りだくさんであった。が、時間がないと見どころが盛りだくさんであることがまるでデメリットのように感じられてしまいよくない、ほんとよくないYO! 旅は急がず、余裕をもって、ですな(知ったような口調)。
ちなみに水族館といえばの「イルカショー」は、水族館とは全く別の公園内の建物で開催されており、しかもなんと無料で見学できるそうで。もちろん私は時間がなかったため見る余地もなく退散しているのだが、どうしてもお金を使いたくないという3日経った米粒よりも固い決意で来た方は、いきなり出口に向かってミュージアムショップだけ利用して記念メダルを購入し、出口から徒歩5分の場所にあるというイルカショー会場でイルカたちを見て【美ら海水族館】の雰囲気だけでも楽しむというのも良いかもしれない。しかしせっかく沖縄まで来たんだから、そんなケチ臭いこと言わずに素直に入っとこーぜd(^_^o)(唐突なウザキャラ)。
ジンベエザメが偉大すぎて
【美ら海水族館】といえばジンベエザメである。元々は3匹ものジンベエザメを同時に飼育している世界でも珍しい水族館であった。2016年までは3匹同時に大水槽を泳ぐ雄大な姿が見られたのだが、同年に1匹を外部の生け簀に移動、そして2021年6月には展示をしていた雌のジンベエザメが死亡したため、私が訪れたときにはもちろん1匹のみとなっていた。
3匹同時に泳ぐ姿をぜひこの目で見たみたかったものであるが、何事も思った時に実行しなければ遅きに失するのである。人生は短い。
ちなみに記念メダルとジンベエザメとは実はかなり深い結びつきがあり、国内のジンベエザメ飼育水族館を記念メダルは全制覇しているのだった。具体的にはここ【美ら海水族館】以外では、大阪【海遊館】を筆頭に、鹿児島【かごしま水族館】、石川【のとじま水族館】である。さらには、過去の飼育施設として【横浜・八景島シーパラダイス】、今後の展示予定施設として【アクアワールド大洗】でも記念メダルが販売されている(【アクアワールド】は2022年度末に展示予定らしい。100%の確率でジンベエザメメダルが発売されると思います!)。
つまり、「ジンベエザメ」=「記念メダル」なわけである。この揺るぎがたい事実。
それはすなわち、記念メダラーたるもの、ジンベエザメこそを記念メダル教の教祖として崇めなければならないということである。そして【美ら海水族館】は、ジンベエ教におけるいわばタージ・マハールなのだ! 記念メダラーたちはここでジンベエザメに祈りを捧げなければならない。今後もどんどん記念メダルを発売してください、と。
尊い( ´ ▽ ` )
ジンベエザメを見ているだけで米3杯食える(おいしそうという意味ではない)。
デカいというだけでマジ偉大である。こればかりは写真では伝わらないであろう。その雄大な姿をぜひ自分の目でご確認いただきたい。この偉大さを記念メダルなんぞで表現することなど到底不可能であることがよくわかることだろう。そのためにメダルのデザインとしてはどうしてもカワイイ系にしてお茶を濁すしかないのだ!
館内にはジンベエザメの生態に関する展示もなされており、ジンベエ教信者としては時間をかけてじっくりと読み込みたいところであった。が、沖縄の時の流れの速さがそれを許してはくれいないのだった……
ああ、ゆっくりと観光がしたい(記念メダル収集とは何か? という根本的な問いに関わる願望)。
記念メダルについて
記念メダルは、順路通りに進むと、出口を通った先にあるミュージアムショップに青いあんちくしょうが設置されている。
このショップは実は水族館内に入場しなくても入ることができる。が、水族館建物自体の出口が初見ではかなりわかりづらい場所にあるので、いきなり辿り着くのは至難の業だろう。というか、せっかく沖縄まで来て【美ら海水族館】を見ていかないなんて選択肢はないだろう。販売機も2台ならんで在庫もたくさんあるだろうから、安心して館内をじっくり見学してから来てほしい。
デザイン的な超マニアックな変遷としては、古くからメダルを販売してきた施設であるだけに、カラーメダルの着色方法が注射器によるものからカラープリンタによるものへと変更されている。それを知ったのは、第1回目の茶平工業訪問時に、プリンタの上にジンベエザメメダルが放置されている光景を目にしたときである。実はプリントメダルがこの世界に爆誕する前からジンベエザメメダルを保有していたので、奇しくも比べることが可能となった。
全然違いがわからん♪( ´▽`)
光の反射具合が違うので色合いが異なって見えるかもしれないが、マジでまったく違いはわからない。
ちなみに右が注射器による着色である。
「イノベーションのジレンマ」という概念がある。有名な話はフィルムカメラ全盛期の「コダック」の倒産の話で、カメラフィルム事業でリーダー企業だったコダックが、自社の研究者が世界で初めて開発したデジタルカメラの誕生によって、結局はカメラフィルム文化自体が衰退して倒産に追い込まれたという話である。
私が茶平工業を訪問したときは職人さんが一枚ずつメダルに塗料を流し込んでいる姿を見学することができたが、果たして今はどうなっているのだろうか。私レベルの違いのわからないしょぼい男だと、女性が前日に髪を切ってきたこと同じくらいプリントメダルなのか塗料メダルなのかがまったくわからないので、メダルの様子からは今どうなっているのかを窺い知ることはできない。少なくても新発売されるメダルは十中八九プリントメダルとなっているので、新メダルに携わることはないといっても過言ではないだろう。そう考えると、自然と淘汰されていくと考えるのが妥当なのかもしれない。
もちろんフィルムカメラを今なお愛用する人はいる。が、それは一部の熱狂的なマニアだけである。それと同じように、注射器による着色メダルは、私を含め一部の熱狂的なメダルマニアにのみ愛される存在となっていき、現代っ子が「写ルンです」なんて物をもう知らないのと同じように、注射器着色を前提としたような昔ながらのデザイン自体が淘汰されていくのかもしれない。。つまり、オールプリントにするか、無色の金型製作をするかの2択である。その中でオークコーポレーションだけがひと際異彩を放ち続ける未来がなんとなく見える——
(過去記事)みんなの憧れ美ら海
私はジンベエザメが好きである。
ジンベエザメを見ると、そこには人間と同じ社会性が見て取れる。
ジンベエザメは、大抵多くの生き物を引き連れて泳いでいる。水槽の中のあらゆる小魚、中型魚がジンベエザメに導かれるように文字通りついて回っている。本物の「コバンザメ」ももちろんいて、ジンベエザメの腹にひっついてる。先入観があるせいなのか、その姿が本当に小ズルそうに見える。この姿を人間の腰ぎんちゃく(代表例:スネ夫)に譬えた最初の人は天才である。
大小さまざまな魚を引き連れて優雅に泳ぐジンベエザメであるが、ジンベエザメ自身は自分について回るそれらの魚を一切みない。自分の行きたいところに、自分の行きたいように行くだけでなのである。そこに、その権威・力への庇護を求めて、いろいろな者が勝手に寄ってきては、勝手にその力を利用する。あるいは、大きな力について回っているという所属感から、勝手に安心感・安堵感を得る。
一番の違いは、先を見ているのか、人を見ているのか、である。
自ら道を切り拓くのか、人が切り拓く道に遅れまいとするのか。
そしてジンベエザメには、自分が利用されていても気にしないような泰然自若とした寛容さがある。相手にしていないが、許してもいるように見える。
そのビッグな器に惹かれてしまう。そのようになりたいとは思わないんだけどね~
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