長野県【上高地】記念メダル

記念メダル販売場所 上高地

@バスターミナル目の前の建物2階「上高地食堂」の売店内
備考:刻印機が現在では絶滅危惧種のブラウン管でありながら、刻印の音は静かver.というギャップ萌え!

「専用バスに乗り換え」という初心者の壁

メダルの図柄になった「河童橋」とメダルを食べるシーラカンス。と、それを手に記念撮影をする30半ばを過ぎたおっさん。

 長野県の【上高地】は長らく「壁」となっていた場所であった。その気になれば日帰りで行ける距離にあるのだが、なんとなく「専用駐車場からバスに乗り換え」というのが敷居が高く感じられたことや、「登山しなきゃならないのか……」というすっかり足腰の弱った中年おっさん日本代表の私は尻込みすること実に5年以上……

 しかし歳をとり、こんな私にも心境に変化があった。

「悩み続けるより、行動した方がいい! もう……終わらせるんだ!」

 もとい

「歳を取ったからこそ、むしろ登山に向いてるんじゃないか⁉︎」

 というよくわからない論理に突如気が付き、数年ぶりに登山道具を引っ張り出して飛び起きる日曜日のAM3:00。

 そんな一念発起をした私は、まだ日も昇らない早朝に「めんどくさい」と己の脳が考えだす前にベッドから飛び出し、「めんどくさい」に追いつかれないよう全集中力を注ぎ、全速力で長野の山奥へと向かったのだった。怠惰よりも速く、不安に追いつかれるよりも速く、何もできなかったあの日の強がってあげた笑い声よりも速く(何?)。

 カッコよく書いてますが、たかが記念メダルを買いに行く話ね、これ。

そんなわけで到着しました。
駐車場のすぐそばにバス乗り場がある。そして事実上、ここが最終の無料トイレとなる。トイレもまあまあ綺麗。

 【上高地】にマイカーでたどり着くには2種類のルートがあり、松本側から行く「沢渡駐車場」(さわんど駐車場)か、高山側から行く「あかんだな駐車場」かのどちらかに車を止めることになる。私は値段も安くて比較的空いている(というネット情報)の「あかんだな駐車場」を選択した。ただ、駐車場に車中泊をして早朝からの登山に備える場合等は、24時間営業の「沢渡駐車場」の方が良いと思われる(あかんだな駐車場は4時オープン)。

 到着時刻はAM7:30過ぎであったが、駐車場は6〜7割くらいが埋まっていた。本格的な紅葉シーズンはもっと混み合うことだろう。というか、登山の朝は早い。私は毎朝始発の電車で仕事へ行くので早起きは得意な方なのだが、上には上がいるものである。「特技・早起き」がただの普通の行為となる瞬間。

ラインナップとしては往復2090円以外必要なくない? と思っていたのだが、帝国ホテルや大正池で下車する人(あるいは乗車する人)も結構いて、勉強不足だったことがよくわかる。というかこんな山の中に帝国ホテルがあるという驚き∑(゚Д゚)  帝国ホテルがあるのは東京・大阪・上高地ですよ! 新三大都市や!

 バスは1時間に一本のペースであった。私が到着したときは偶然にもちょうどあと30分くらいで時間となる計算であったので、朝一番の爆弾投下大爆発を心ゆくまでしっかりと済まし、文字通り身も心も軽くなってしっかりとした準備ができた。いや、最高の朝でした( ´ ▽ ` )

 あれほど敷居が高く感じられていた「マイカーからバスへの乗り換え」も、来てしまえばどうってことのない話でしたな〜当たり前ですが。

名所の一つ「大正池」をバスの車窓から。池を撮ろうとしたのにその大半をシーラカンスの顔で覆ってしまうという凡ミス!

登山をするのかしないのか

到着したバスターミナルがまずもうちゃんとしてるよね! 山な感じがあんまりしないというか。一昔前の「汚い」とか「ボロい」とかいった山のイメージとは無縁の場所でございます。

 結論からいえば、【上高地】において登山をする必要はまったくない。

 むしろ、【箱根駒ヶ岳ロープウェイ】【御在所ロープウェイ】といった、ロープウェイによるワープ登山(と個人的に呼んでいる)をする場所よりも、よほど観光そのものを楽しめる場所であった。お洒落なカフェとかあったし。

この写真だけではここがまさか標高1500mの山中であるとは夢にも思うまい。道がこれだけ舗装されているので山感ゼロである。
テラスでティータイムとか実は大好きな女心を忘れないおじさん・私です。
なんとホテルのレアチーズケーキまで売ってますよ。山中に。お値段4000円∑(゚Д゚)

 重ねて言うが、ここは山の中である。しかし山は山でも、周りを見渡す限りは箱根の芦ノ湖周辺と似たような空気感があり、グルメ等を満喫するだけで旅としては十分成立するような山の方だった。登山はいらなかった。

 マジでぶらっと来て全然問題ないレベルの観光満喫施設が目白押しであったため、だんだんと

山行くの、めんどい

 と山の中で思う矛盾が生まれ始めた。もうそこら辺のカフェに入って、コーヒー飲みながらちょびっと本でも読んで、もう帰っちゃっても良いじゃないかという考えが頭をもたげ始めた。

 が。

 それでも気持ちを奮い起こして観光エリアの奥に伸びる山道へと足を向けたのは、数年ぶりに引き出しの奥から引っ張り出してきた本格的な山装備を身に付けていたから——身に付けてきてしまったからに他ならない。せっかく出したのに使わないのはもったいないというお金持ちになれそうもないケチくさい発想だけが、私の心を突き動かした。

 ほんと、全然、ここだけでよかった。ホテルのカフェラウンジでのんびりブログ執筆してきた〜とかで全然よかった!(・Д・)

ちなみに【上高地】及び「河童橋」は芥川龍之介の『河童』冒頭に登場しますな。
主人公が【上高地】から穂高山を登山中に河童を見かけて追いかけたら穴に落下し、気がついたら河童の国に保護されていたという異世界転生モノのなろう系小説です(一部嘘)。穴に落ちる瞬間に泊まった宿の近くに掛かっていた橋が「河童橋」って名前だったな〜と走馬灯のように思い出す場面があります。実際、山の中とは思えないような綺麗な宿泊施設が橋の周りには立ち並んでおります。恋人と泊まったら盛り上がる夜100%。

それでも大自然に飛び込んで

「緑との快適なふれあい」とは一体どんなふれあいなのか?
突き詰めて考えると全容がよくわからないものの一つ「自然とのふれあい」。人間が一方的に触れていくだけであって、自然=緑の方は別にふれてほしくないのではなかろうか。という嫌われがちな屁理屈ね、これ。

 構成としては「バスターミナル」→「観光エリア」→「キャンプ場」→「トレッキング周遊路」→「登山道」となっており、レベル(と気持ち)に合わせていかようにも楽しめる大変良い自然エリアである。【上高地】、もっと早く訪れるべきであった。!

私は河童橋から東に歩き「明神池」を回るルートを歩きました。
ただ、たぶん「大正池」のバス停で降りて遊歩道をのんびり1時間かけて歩いて河童橋まで来て、メダルを買って上高地バスターミナルから帰るというルートの方がトータルでは楽しめる思います。次があったらたぶんそうします。新メダルプリーズ。

 この時点でようやく全容が見えてきた私は、当初はがんばって登山をする予定であったが、昼までに帰りのバスに乗り日が沈む前に帰宅するという「今日は日曜日、明日は仕事」シフトにあっさりと切り替えた。無理、いけない。

 というわけで、1周1時間程度という周遊路をテクテク歩いていくのだった。右手にシーラカンスを握り締めながら(一回一回しまうのが面倒になって、すれ違うのは全員他人だと割り切ってもはや隠さなくなった)。

トレッキングのはじまり。
いくら上高地の歴史が長いといえど、この看板にシーラカンスがのったのは今回が初めてのことだろう。
山は本当に水が澄んでいる。まるで私の心のようだ(何が?)
まるで一枚の絵画のような風景に割り込んだシーラカンス
ずんずん山道を進んでいくシーラカンス
空飛ぶシーラカンス
木にひっかかるシーラカンス
もののけ姫的なシーラカンス
道ゆく人々は皆思ったことであろう。「あの魚持ってるおっさん、何?」と。
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!(魚だけに)
大事な部分がそそり立つ木! 大木だけに!
(人によって大事な部分は異なりますよね。もし卑猥に感じたのなら、それはあなたの心が卑猥なのです)
『河童』の主人公が河童の国へ異世界転生した「穂高山」の登山道入り口に到着
ゴールした感がものすごく、もはやここで終えたい。が、帰路につかねば、帰れない。
山価格!
岩魚の塩焼きは大好物なので見掛ければいつも食べることにしているのだが、山は常に便意をもよおすことに対する恐怖心があるので、あまりものを食べないことにしている。食べたかったな〜
なんとサルと遭遇! が、人生で一度もサルを可愛いと思ったことがないので、感動も特になく!
復路で通る明神橋
ツッコんだら負けな名前のカフェ
猿を食べる
ここは肉眼で見ると本当に幻想的で綺麗だったんですが、写真で見ると1ミリもその雰囲気が伝わりませんな。
復路途中にある、「上高地が好き過ぎて小屋を建てて住んじゃった偉人」のお食事どころ。現在3代目らしい。
お食事どころの奥には「明神池」がある。それが一体なんだかは知らないけど。
ちなみに見るには拝観料300円がかかります。実は神社なので「拝観料」なのです。
この「明神池」はなかなか綺麗でフォトジェニックな場所でございました。シーラカンスが写っているのでフォトジェニックさが伝わらないと思いますが。
正岡子規のそっくりさん
紅葉はもう一歩といったところでしたな!
木霊が出てくればもののけ姫なんですがね〜
同じ道を対面から人が歩いてきたらどっちが譲るかで揉めそうな遊歩道
運命の分かれ道。は、大して分かれていなかった図。
人は誰しもが自分を激動の物語の主人公と思い込みがちである。が、思い悩むほどにはその道はそれほど分かれておらず、何を選んだところで大体同じような道を歩むことになる。
ということを表現したものかな!(違う)
木の塊とシーラカンス
この池は本当に幻想的で綺麗だったんですけどね〜
全然写真には写らないですな〜
疲れ果てたシーラカンス

 総評的な感想としては、走ったら30分くらいで終わったんじゃね? である。

 まず私は、登山やトレッキング、大自然の中を歩くことは基本的には好きである。が、「それだけでサイコー! いつまででもここにいたい〜!!」というほど好きなわけでもない。登山をした時に必ず、毎回、絶対に思うのは「頂上がゴールだったら良いのに」である。頂上にたどり着いて最高の達成感を味わった後にやってくるのは、実はまだ行程の半分しか達成していないという絶望感である。つまり、下る時にはいつも「ファッキン大自然‼︎」と思っている。必ず思っている。例外なく思っている。

 このように「自然を楽しむキャパが小さい」私であるので、今回の周遊路も前半の「明神館」の到着までは楽しかったのだが、帰路となる残りの半分の行程は正直歩くのがめんどくさくなって「走ればすぐに終わるのに」とぶつぶつ思いながら自然を置き去りにするようにさっさと歩いていた。しかもこの周遊路がまたトレランというかクロカンというか、走るトレーニングにはちょうど良い感じのほぼ平坦な道で、しまいには登山靴ではなくランニングシューズを履いてくれば良かったとすら思うに至った。そんなに険しい道ではなかっただけに。

 飽きるのよ、自然。(※個人の感想です)

 ただ登山初心者でも安心して楽しめるトレッキングコースだったので、「自然を楽しむ入門編」みたいな位置づけで彼女やら子供やらと来る分にはとてもちょうどよいのではなかろうか。実際、ちびっこや手を繋いで狭い遊歩道を歩くカップルとも多数すれ違い、その度に視線が私の左手にあるシーラカンスに注がれたものである。ぬいぐるみを持ってせかせかと歩くおっさんが山の中に一人。

唯「蛙」を「河童」とせん乎、更に光彩陸離たるべし

 上記で触れたが、「河童橋」が登場する小説として芥川龍之介の『河童』が有名である。『河童』に出てきたから「河童橋」と名付けたのではなく、「河童橋」がすでに存在したので『河童』の舞台として【上高地】を選んだのではないかと思われる。

 ちなみに書籍を購入しなくても青空文庫で読める。が、短編ではあるが、また、ふざけたタイトルなのでなんとなく侮りがちであるが、割としっかり腰を据えて読まないと読みきれないくらいには重量のある作品である。

 概要としては、ある精神病院に入院している患者が「俺は河童の国にいったー」と述べ、その時の様子を切々と語る独白式の小説である。前半は河童の国の奇妙な習慣や価値観に割とコミカルな楽しさを覚えて読み進められるのだが、意外と長い上に、後半はかなり芥川龍之介の哲学的というか禅問答的な思想が溢れ出し始めるので、国語の教科書が嫌いだった人たちはたぶん顔をしかめること請け合いである。例えば、「阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じてゐる」とか「我々の自然を愛するのは自然は我々を憎んだり嫉妬したりしない為もないことはない」とか、なんかまあ、そういうやつである(・∀・)ナンダソリャ

 で。物語終盤に、主人公が懇意にしていたけれども自殺をしてしまった河童というのがいて、その霊を降霊術によって呼び寄せるという場面がある(正確にはその場面が掲載された雑誌記事を読むという場面)。その場面で、その自殺をした河童が「めちゃ軽蔑していた」という日本人が詠んだという十七文字の詩がお馴染み「古池や蛙飛びこむ水の音」である。芥川龍之介のなんともいえないコンプレックスが見て取れる場面である。

 で、対話者が「これダメなの?」と聞くと、「ダメとは言わないけど〜」と言った後に「唯『蛙』を『河童』とせん乎、更に光彩陸離たるべし」と述べるのである。

 つまり「古池や河童飛び込む水の音」だったら良かったけどね〜、という話である。なんじゃそりゃ。

 この場面、もう少し詳しく述べると、「死後の名声」というものをどう思うかを語る場面であり、芥川龍之介の生涯を考えると、なかなか考えさせられるところなのよね〜。

 読むことをお勧めするわけでは全然ないが、読んでから行くと、なんとなく河童の国に繋がる穴を探したくなる——かもしれない。

記念メダルについて

シンプルなラインナップが昔ながらの観光地っぽい!

 メダルの販売場所は、バスターミナルに降り立って目の前にある建物2階の「上高地食堂」内である。私が到着したのは8時過ぎと割と朝早めであったが、そこは山登りの店、余裕でオープンしていた(たぶん6時くらいからやっている)。長野遠征を考えている方は、最初のメダルスポットをここにして早朝に訪れ、その後松本方面を回る予定を組むと、一か所多く回れる感じとなる。と思っていると寝坊するパータンだよね!( ;∀;)アリガチ

この2階です。記念メダラーたるもの、バスを降りたらもはやダッシュする勢いで行くよね! 衝動が抑えられない! ヤク切れの禁断症状のように
あ、あった! ボキの記念メダルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!(キモっ)
この青いあんちくしょうを見つけたときのエンドルフィン分泌量はヤヴァイと思う(記念メダラー限定)
最近めっきり見なくなったブラウン管タイプ。でも打刻音は静かなヤツなので、下側は割と新し目のマシーンである。「ブラウン管を現役で使用している」という事象自体が日本で絶滅危惧種である。
最近はもはや「刻印無料」がスタンダードになってきたのではなかろうか。

 デザインとしては、昔ながらの観光地のメダルといった感じで、恐らく記念メダラーの多くからは好まれるデザインである。もちろん、私も好きである。キーホルダーやペンダントにして身に付けるにはちょっと向かないだけで。

明確に絵になるポイントがあるとメダルにしやすいよね!

 とても良い場所なので、末長く販売を継続していただきたいものである。

 なんなら、【美ヶ原】のように新メダルも〜




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