兵庫県【城崎マリンワールド】 記念メダル

城崎マリンワールド 記念メダル セイウチ
城崎マリンワールド 記念メダル イルカ
城崎マリンワールド 記念メダル ペンギン

城の崎煮て(無理)

城崎温泉 川

 城崎といえば、志賀直哉の『城の崎にて』である。高校1年生くらいの現代文で習った人も多いのではないだろうか。

 主人公が城崎温泉に泊まって「生と死」について考える、私から言わせれば今でいう中二病的感覚の小説である。ただ大正時代にこのような小説を発表したというのが、当時では新しかったのかもしれない。主人公は事故に遭いその療養として城崎温泉を訪れているのだが、毎日の散歩の中で出会った蜂、ねずみ、イモリの死に接して(うち一匹は自分で殺しているというね)、「生と死は紙一重のものなんじゃね?」と思い至るのである。自分は事故に遭っても偶然生き延びたが、蜂もねずみもイモリも偶然死んだ(うち一匹は自分が殺したのだが)。主人公は城の崎にて生と死は対極に位置するものではなく、密接に関係しているものであるとの考えに至り、東京へ帰って脊椎カリエスにもならず無事生き延びるのである。いや、お前が石投げてイモリ殺してるやんと読者の誰もにツッコミを入れられながら。

 私は文学部国文学科卒という世界の発展に1ミリも貢献しない学問を学んだ身であるので、この城崎に記念メダルがあると知ったときから、いつか必ず自分の足でこの地を訪れたいと思っていた。しかし、兵庫といってもかなり北に位置するため、兵庫にある他の記念メダルスポットに行くときにまとめて行けるような場所ではなかった。位置的にはむしろ京都の【知恩寺】(天橋立の隣)や【魚っ知館】などを訪れたときに立ち寄るべき場所であったのだが、あんまり考えてなくて(アホみたいな理由)、ずーーーーっと行けずにいた。関西の北の方って、実は行くことあんまりないよね〜

 そんなわけなので、九州記念メダル巡りの旅を決行したときに、その帰路で思い切って立ち寄ることにした。「帰り道に立ち寄る」と表現するにはかなり北へ羽ばたいているが。人生における出来事とはすべて死へ向かう道程の寄り道である(もっともらしく書いているが今テキトーに考えた文)。

 ということで、念願の城崎温泉である。わーい。

城崎温泉駅
クルマで訪れたのだが、やはり城崎感溢れる駅前でパシャり。記念撮影をしている人は沢山いたので、やはり「城崎」の字面が欲しいのだと思われる。フォトジェニック!
城崎温泉 さとの湯
なんと駅の真横には早くも温泉が! しかもここが施設的には一番立派であるというネットの口コミだったので、入ることにした。いい湯でした!
露天風呂が謎の西洋かぶれでしたが〜
城崎温泉 駅前 石
駅に置いてあった謎のオブジェ。いやほんと、なんの説明もなく。
城崎温泉 橋
温泉街も散策。気分は志賀直哉さ! ここが「首に串が刺さったねずみが溺れていて周りの人間が石を投げながらゲラゲラ笑っていた橋かな〜」などと思いながら。これだけを書くととんだ畜生のような小説ですな。
城崎温泉 足湯
無料の足湯にも浸かる。30半ばのおっさんの汚い足が写っている以外何の変哲もない一枚に見えるかもしれないが、卒業旅行で訪れているっぽい推定女子大生の集団がキャピキャピと足湯を楽しんでいる中に得体の知れないおっさんが意を決して一人加わったという努力が結実したことを証明する一枚なのである。私などいないかのように不自然なまでにこちらに視線をやらない女子大生達と、ずっとケータイをいじって下を向くおっさん。この状況でカバンの中からチェブラーシカのぬいぐるみを取り出したらさすがに通報されるかもしれないと思いおっさん的フォトジェニックは断念。
城崎温泉 カニ
かに道楽に対抗するかのようなカニ。動いておりました。カニは食べるのがめんどくさいのでそんなに好きではないのよね〜王族になって誰かに剥いてもらわない限りそんなに食べることはないだろう。
城崎温泉 フクロウ
おじいちゃんちにいそうな白いフクロウ。しかしおじいちゃんおばあちゃんちにある謎の置物たちって、人生のどの段階になったら「買いたい!」と思うようになるんですかね? 

 城崎温泉は「ザ・温泉街」というテイで情緒あふれるなかなかよい場所であった。恋人と一緒に浴衣姿で散策したらとても絵になりそうな景色が溢れていた。30半ばのおっさんがチェブラーシカのぬいぐるみと一緒に散策するのがとてもキモく写る景色ともいうが(ここに限らない話)。

 やはり『城の崎にて』を一度読んでみてから訪れることを強くおすすめする。上の橋桁の写真のように、「ここがあの場所かな〜」と頭の中での想像でしかなかった情景が色鮮やかに鮮明になる感覚は、文学に親しむ醍醐味の一つである。自分が知っている土地が小説の中に出てくると、なんか嬉しいじゃん? その逆もまた然りで、小説の中でしか知らなかった土地を実際に訪れるとなんか嬉しいのである。いまでいう「聖地巡礼」というやつである。あの感覚は非常によくわかる。短編小説かつ「青空文庫」とかで無料で読めるので、ぜひ一読願いたい。ただ向かう道中でささっと読むみたいな読み方ではなく、きちんと読み込んでから訪れた方がたぶん楽しい。高校の授業等で学んだ経験がある人の方が楽しめるかな〜

一週間で6箇所目の水族館【城崎マリンワールド】。君に罪はない

城崎マリンワールド 外観

 そんなわけで【城崎マリンワールド】である。ちなみに城崎温泉街からは歩いていくには微妙にしんどい距離にあるので、クルマ移動となる。そのため城崎温泉街を訪れた観光客がこの場所を訪れるのかどうかは不明なのだが、とりあえず施設は非常に賑わっていた。いかにも由緒がありそうな旅館が隣にあったしね〜(写真奥に見える建物)。

 施設としてはなかなかの老朽化ぶりで水槽のいたるところにコケが生えており、古くからあることをうかがわせる。が、やっていることは新しいことを取り入れながら頑張っている印象。特にアジの一本釣り→その場で天ぷらにしてくれるサービスは、他の水族館にない企画で魅力的だった。ただ私が訪れたときは休日でとても混雑していたので、肝心の天ぷらにするのが全然回ってなかった。ああもったいないな〜と思った。休日になるたびにいつもこうなのなら、ぜひ改善策を実施してほしいなーと。仕事ってのは、「不具合を絶えず修正していくこと」でもあるじゃん? 新しいアイデアを生み出したらそれでおしまいなわけではなく、それを突き詰めることもまた仕事というか。エンジニア的にいえば、開発→製品化だけで終わるのではなく、売れた後も「保守」まで含めてが仕事であるというか。エンジニアじゃないけど。

 ここに限らず、地方の観光施設はこの辺がまだ昭和の観光地クオリティなのよね〜ってお前は一体どのポジションから意見してるんだと言われそうな冴えない30代おっさんのあてにならない話。普段の客入りを考慮すると混在したときの需要には合わせられないのかな。

 まあ要するに

私、釣りしたかったのに

 という、ただそれだけの話である。釣りは好きなのでぜひしたかったのだが、天ぷらにはそこまで興味がなく。で、天ぷらでそんなに待つのはちょっとな〜と思ったので、結局釣りも断念したという話なのである。そう、これは私のWA・GA・MA・MAな話なのであった。

城崎マリンワールド 動画
こういう時代の新しい文化をどんどん取り入れていく姿勢は好感がもてる。どこでもYouTubeの真似だな〜とは思ったが
城崎マリンワールド 釣り堀
踊り食いされるシラウオの桶のような釣り堀にアジが大量にいて
城崎マリンワールド 釣り堀値段
このアジを釣ってその場で食すことができる。お値段もお手頃でなかなかグッドな企画。「その場ですぐに」というのがポイントよね。「持ち帰って料理」なんてハタ迷惑でしかない世のお母さん達にとって
城崎マリンワールド 天ぷら
しかし天ぷら待ち時間50分は「すぐ」ではない。このせいで「釣りがしたい」という意欲すら削がれてしまうだろう(父母は)。それで失う客というのもいると思うんだけどな〜。本当にしょうがないんすかね〜
城崎マリンワールド 水槽
なかなか古さを感じさせるイマドキではない水槽
城崎マリンワールド
寄り添う夫婦(めおと)。オスメスかわからんけど。なんとなく「鴨川男女の法則」を思い出す。
城崎マリンワールド ウツボ
真昼間から絡み合う二人。「昼顔」だ! 観たことないけど!
城崎マリンワールド イカ
イカだけの展示だとどうしても生け簀に見えてしまう
城崎マリンワールド タカアシガニ
どこにでもいるアンガールズ田中
城崎マリンワールド
おそらくこの水族館のウリの一つ。水槽の中からエサをあげると魚がパシャパシャするのが間近で見られる的なやつ。
城崎マリンワールド ペンギン
マンガ喫茶の個室
城崎マリンワールド カメ
巨大カメの上陸
城崎マリンワールド イルカ
にょんにょんにょんにょーん
城崎マリンワールド アシカ ダイブ
アシカの身投げ
城崎マリンワールド オブジェ
切り刻まれるチェブラーシカ
城崎マリンワールド オブジェ
貫かれるチェブラーシカ

 いろいろな取り組みにチャレンジし、他の水族館との差別化が図られていて古い施設ながらとても活発な経営をしている印象を受けた。その割にはいまいち楽しめなかったのは、単に私がここに至るまでの道程で水族館に行き過ぎたからかもしれない。君と僕とは出会い方が悪かったのかな……

 いまいち乗り切れないままあとにしたためどうもハッピーな感じの記事が書けなかったが、少なくても「城崎温泉」は最高にハッピーだったため、【城崎マリンワールド】&「城崎温泉」とセットで楽しんでいただければ間違いはないよ! ということは保証いたします。せっかく訪れるのであればぜひ温泉も味わっていっていただきたい。もちろん『城の崎にて』を読んだ上でね!

記念メダルについて

 茶平工業訪問時によく考えると顔色の悪いセイウチのメダルをいただいていたので、残りの二枚を購入した。販売機の設置場所はアジの釣り堀をさらに進んだところにある、イルカショーの舞台の隣にあるグッズショップである。

城崎マリンワールド 記念メダル販売機
城崎マリンワールド記念メダル販売機

 ペンギンとセイウチは、よく考えると「なんでこの配色なの?」と思わなくもないのだが、デザインは非常に可愛い。このメダルがいつ製作されたものなのかは不明であるが、サンリオがやたらと流行った80年代後半から90年代前半くらいのちょっと古めかしい可愛さである点は否めない。が、可愛らしい。可愛いものが好きなキモいおっさんとしてこの世に名を馳せている私は決して嫌いではない(リラックマとか好き)。ただこういったちょっと古いテイストのメダルは、売り切れたら絶版になるのではないかとちょっと心配してしまう今日この頃。有名観光地代表としてずっと販売し続けてね〜

(過去記事)

 茶平工業訪問時に、着色職人の方が塗料の試し塗りの素材として使おうとしていた物をちょっと待ったコール(古い)をして手に入れた一枚(セイウチメダル)。物の価値は実に人それぞれである。

 私は文学部国文学科出身なので、城崎といえば志賀直哉の『城の崎にて』である。私は志賀直哉も『城の崎にて』もどこがよいのかさっぱりまったく1ミリたりともわからないのだが、『城の崎にて』は前職の仕事上読み込んだ教材なので、いつか訪れる日が来たら、その辺も絡めてレポートしたい。もちろん城崎温泉にも行きたい。首に串の刺さったネズミが川で溺れているところを見たい(いや、見たくない。『城の崎にて』より)。




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