スクール水着を10円玉のように
記念メダル界の異端児、「同人記念メダル」である。
「涼屋」というエロ同人サークルが、茶平工業製記念メダルを過去に配布したのである。エロ同人サークルにふさわしい、なんとも男気溢れる図柄となっている。スクール水着を記念メダルに描こうという発想は、コアな記念メダラーであっても恐らく思い浮かばなかったであろう。いわんや、全国の記念メダル代理店などはもってのほかである。そういう意味では歴史的な1枚であると言える。エロ記念メダルというジャンルは、この先恐らく二度と登場することはないだろう。偉業と呼ぶにふさわしい1枚である。ちなみに同人サークル「涼屋」を主宰するのは、涼香(りょうか)という女性イラストレーターである(ちなみにプロである)。この点、オタクの一人として偽らざる想いを述べれば、かなり得点が高いといえる。女性が描く18禁イラストを見ると、明確な言葉では説明できないが、なんともいえない許された感を感じるオタク心理(ドン引きされそうな文章)。ちなみに「涼屋」の同人誌は、ここでは少しも紹介できないほどかなりエロい。気になる18歳以上の人は周囲に奥さん・子供・彼女がいないことを確認してから自分で検索だ!
以前オリジナル記念メダルを製作した身としては、この図柄を茶平工業の専務と真面目に打ち合わせしたのかと思うと、大変シュールな絵面が脳裏に浮かぶ。「股の食い込み感をもうちょっと出せると……」などとメールで打ち合わせしていたのかと思うと、専務の奥さんにあらぬ疑いを抱かれそうである。
「涼屋」は今回のメダル以外に、2012年の第82回夏コミにて、サークル創設10周年を記念してオリジナル記念メダルを先着順で配布している。販売ではなく「配布」である点を考えると、記念メダル製作費用が生々しく想像できるようになった今では、このサークルめっちゃ儲かってるなということがよくわかる。正直別に記念メダルを製作しようがしまいが売り上げは変わらなかったと思うのだが(記念メダラーがこれを目当てにコミケに訪れたとは思えない)、それでも20万円以上の費用をかけて「記念品を作ろう。そしてタダで配布しよう」と思い至る時点で景気の良い話であるといえる。私は一世一代の、清水の舞台から飛び降りる覚悟で製作したのだが、社会的・経済的な地位の差を感じる事象であるといえる。あっ、ちなみに、「清水の舞台」といえば、茶平工業を訪問した際に【清水寺】の記念メダルの金型を見たので(私のメダルの金型の隣に置いてあった)、もう販売されているか、もうすぐ発売されるかのいずれかであることは確実である。専務にどこで売っているのかと尋ねたら「どこに売ってるんでしょうね〜?」と言っていた。この辺、本当に中間業者(代理店)任せであるらしい。
旅を重視する記念メダラーにとってはなかなかハードルの高い記念メダルであったことだろう。そもそも当時、記念メダラーの間で情報があったかどうかも微妙なところである。というか、そもそも「涼屋」はなぜ茶平工業製記念メダルに目をつけたのだろうか?
主宰者である涼香氏の写真日記を見ると記念メダルを集めているっぽく、ところどころで記念メダル購入記録が挟まれていて、記念メダラーとしてはなんだか嬉しい。自分で作ったことがきっかけで集め始めたのか、もとから集めていたから記念メダルを製作したのか。卵が先か鶏が先か。
ぜひまた製作していただきたいものである。そしてSNSが爆発的勢いで広まった昨今、新しい「涼屋メダル」の情報が拡散された時、全国の記念メダラーは果たしてメダル目的でコミケに参戦するのかしないのかーー真のメダル愛が試されるときである。ちなみにコミケで一級サークルの物品を確実に購入しようと思うなら、朝日が登る前に東京ビッグサイトへ訪れる必要がある。
ああ、メダル愛。メダル愛……
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