2003年の阪神タイガースは、【1985年のリーグ優勝&日本一】以来、18年ぶりのリーグ優勝を果たした年である。そして、18年ぶりに金型を使いまわした年でもある。
↓1985年リーグ優勝時の記念メダル
なんかこの話、どこかでしたような気がする……と思ったら、ヤクルトスワローズの【1978年リーグ優勝&日本一】と【1992年リーグ優勝】のときと全く同じ系譜であった。
↓1978年
↓1992年
ヤクルトのときと全く同じことを言うが、裏面はほぼ同じデザインではあるが微妙に変えねばならなかった(優勝年度や、刻印スペースの縮小等)のだから、せっかくならせめて裏面だけでも全面的にデザインを一新すれば良かったのにな〜なんて思うわがままな私。コレクター目線でいえば、デザインがほぼ同じなので、別物であることが気づきにくいという問題がある。無論、コレクターなど全く想定してはいないだろうが。
さて、2003年の阪神タイガースは、歴代の中で最強の呼び声が高い。これは「バックスクリーン3連発」に代表される1985年優勝時のチームと比較しても、トータルでは2003年が優っていることが、数字が物語っている。1985年のチームは、実にチームの四人がホームランを30本以上打っている超重量打線でありそれはそれで最強だと思うが、2003年のチームはまず、2位と14.5ゲーム差で優勝しているのである。それに加えて、20勝を挙げた投手が一人、10勝以上の勝利が三人と投手力も信じられないくらい安定している上、首位打者と盗塁王もいたのである。極め付けは、オールスターゲームに阪神から全ポジションが選出されるという珍事が起こった。セ・リーグ最強チームであったことはもはや疑いようがない。この年の関西はさぞ景気がよかったことだろう。
2003年の阪神は星野仙一体制2年目のシーズンである。ちなみにあまりにも最強すぎて嬉しかったのか、星野仙一監督単独でも記念メダルが発売されている。
↓私の嫌いな星野仙一
2年目の星野監督は、チームの大幅な刷新を行っている。ベテランを中心に半数近くを入れ替えた(首切りをした)。これには当然のことながら批判が大きかったが、それをすぐに黙らせたのが、やはり結果である。繰り返すようだが、この年の阪神は最強すぎて、4月から一度も首位を譲ることなく独走状態で優勝しているのである。8月の時点で2位と12ゲーム以上の開きがあり、ほぼ優勝を確実にしていた。裏を返せば、純粋なるプロ野球ファンかつ阪神ファンでない人にとっては非常につまらないシーズンであったかもしれない。また、「阪神が弱かったのはメンツが悪かったから」というのがハッキリしたとも言える。監督のせいではないことは、星野監督1年目のシーズン(4位)からのこの飛躍が物語っており、「半数近くのクビを切られた選手達は、クビを切られて当然だった」ということを証明するシーズンであった。この時にクビを切られた元阪神の選手たちは、忸怩たる思いでこの優勝を見ていたことだろう。己の存在を完全に否定されたも同然であるのだから。プロの世界のあまりにも残酷な一面である。同じ社会人として、自分だったら……と思うと、笑えないし、変に泣けない。社会人にとって、「自分が役に立たない」ということ以上に辛いことはない。
そんな最強阪神タイガースも、日本シリーズでは、福岡ダイエーホークスに3勝4敗で負け越し、日本一を逃している。2連敗からの3連勝、からの2連敗という白熱したシリーズであった。しかも「全ゲームでホームチームが勝利」という珍事も起こり、「内弁慶シリーズ」と呼ばれているらしい。こうなってくると、ホームゲームの多いチームが有利じゃね? ダイエーずるくね? みたいな意見が出てきそうだが、その辺はどうだったのだろうか。まあサッカーと違って必ずしもホームゲームが圧倒的有利とは働かないことは、今年のクライマックスシリーズでリーグ3位のDeNAが勝ち上がったことが証明しているのかもしれないが。
この年のダイエーもこれがめちゃくちゃ強かったので、さぞ盛り上がったシリーズであっただろう。が、私は結局プロ野球に全く興味がないので、記憶に薄いのであった。この頃は大学生で、野球場で毎日のようにバイトをしていたにも関わらず、ほとんど記憶がないのだから、どれだけプロ野球に興味がないかご理解いただけるだろうか。ではなぜ野球場でバイトをしていたのかーーそれは永遠の謎である。しかも私は選手バスの統制も担当していたので、監督含めセ・リーグのほぼ全選手と1メートル以内で接したことがあるのに、ほとんど記憶にないという体たらくなのであった。プロ野球ファンからしたら喉から手が出るほど羨ましい仕事であったのだろうが、プロ野球ファンでないからこそ任されたポジションであったような気もするので、その辺世の中うまくいかないものであるなぁ。選手に魅入っちゃうことなんて全くなかったし。
コメントを残す