がんばれ掛布くん
1985年の阪神タイガースは、かの有名なバース、掛布、岡田による「バックスクリーン3連発」があった、今でも語り継がれるシーズンである。この年はリーグ優勝だけでなく、球団初の日本一にも輝いている。阪神タイガースにとって、伝説的なシーズンであったのである。
といっても、私は生誕をしていたはずだが、全く記憶にない。まだ幼かったというのも大きいとは思うが、そもそも野球に全く興味がなかったし、我が家もプロ野球中継を観る文化が全くなかった。それどころか、バース、掛布、岡田の3連発なんて、てっきり私が生まれる前の、なんなら戦後すぐくらいの話かと思っていた(言い過ぎ)。記念メダルは、静かに歴史を語りかけてくるのである。
記録を調べてみると、この年の阪神は野球素人である私から見てももはや異常である。ホームラン数でいうと、バースが54本、掛布が40本、岡田が35本も打っていて、ピッチャーとしてはこんなクリーンナップと対戦するのはさぞ嫌なことだろう。それに加えて、実は1番の真弓もトップバッターなのに何気に34本もホームランを打っていて、ほぼ岡田と一緒なのである。何でも欲しがる長嶋さんが四番バッターばかりを集めて築き上げた往年の巨人・重量打線でもここまでホームランをバカスカ打っていたチームではなかったように思う。高校野球でいえば、清宮が四人いるようなチームと対戦するわけである。ピッチャーはすげー嫌だろう。
また、バースはこの年の活躍により「史上最強の助っ人」という称号を獲得する。文句なしのシーズンMVPも獲得し、非常に輝かしい活躍の陰で、シーズン終盤では少しケチがつく出来事もあった。シーズン最多本塁打記録まであと1本に迫ったラスト2戦で、なんと記録保持者の王貞治が率いる巨人と対戦したのである。そして、当然のように全打席敬遠された。
これをどう取るかというのはファンの間でも意見が分かれそうな話であるが、敢えて全く野球ファンでない私の超個人的な意見を述べれば「そりゃ、そうだろうな」と思う。批判するのも当然だろうし、批判覚悟で敬遠策を取るのもまた当然である。例えば、巨人のピッチャーからしたら、もしもホームランを打たれたら恐らく罰金どころじゃ済まなくなるだろう。で、そのシーズンのホームラン王に「真っ向勝負でホームランを打たれるな」というのはなかなか酷な話であると思うのである。そう考えると、来シーズンも巨人で平和にやっていきたいのなら、たとえ王監督が「敬遠しなくていい」と言ったとしても(本人は実際そう語っているらしい)、早々真っ向勝負はできないと思うのである。ちなみに、この年で巨人を退団した外国人ピッチャーが、「コーチからストライクを1球投げるたびに1000ドルの罰金」と言われていたと暴露している。が、そんなものが仮になくても、生活がかかるプロとしては、自分のチームの監督に対してつまらない遺恨を残すようなことは避けたいと思うのが当然だろうから、やはり真っ向勝負、真剣勝負をするのは難しいと思うのである。百歩譲って優勝を争っているような試合ならともかく、消化試合でそれはやはりないと思うのである。もちろん、全く正々堂々ではないので、批判もまた当然である。批判されることがわかっていようと、巨人のピッチャーとしては絶対勝負にはいけなかったであろうというのが、私の見解である(素人感)。
先にも述べた通り、阪神はこの年の日本シリーズも制し、日本一に輝いている。パ・リーグ王者は西武で、戦績は4勝2敗だった。試合以外の特徴としては、現在の日本シリーズではパ・リーグ主催試合のみ「指名打者制度」が適用されるが、この年の日本シリーズは「全試合指名打者制度」が適用された唯一無二のものとなった。
また、阪神は長い不振の後、2000年代に入ってから3回日本シリーズに出場しているが、いずれのときもビジター試合で勝つことができず(ついでにいえば日本一も逃し)、この年のビジターでの勝利が最後の勝利となっているらしい。長いな。
そんなこんなで語ってきたが、結局はプロ野球に全然興味がないので、特に面白くするようなことも浮かばず、ただダラダラと書いてしまった。私はこの年には生まれていたが、物心がついたときには阪神は異様に弱かった。近年の強さが信じられないくらい弱くて、毎朝見ていた『ズームイン!』でも、毎日のように「てんてんてんてん、黒い星〜」という黒星を表す歌が流れていた記憶しかない。その程度の知識と興味しかない人間の語っていることなので、いろいろな面でどうか空よりも広く海よりも深い心で読んでいただきたい。
記念メダルについて
金メダルはヤフオク!やメルカリでかなりよく見かけるメダルではあるが、彩色&ブラックのコンビはあまり見かけない。銀メダルも単体ではほとんど見かけないので(あるにはある)、揃えたいと思うならば金銀セットのものを購入するのが吉である。
ちなみにこのメダルの金型は2003年のリーグ優勝のときに使い回された。
2005年のリーグ優勝時には一からデザインし直したのは、さすがに使い回しがバレると思ったか⁉︎
この調子でまた優勝したときにはぜひ記念メダルを製作していただきたいものである。
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