プロ野球と茶平工業とは、実は意外と縁が深い。古くから、毎年のようにその年の優勝チームの記念メダルが製作されていて、しかもそれが「セ・リーグ」と「パ・リーグ」の両リーグともにそれぞれが製作されている場合もあり、その種類はかなり多いと推測される。私は現在所有してはいないが、時代を遡れば38ミリメダル(デカメダル)時代から製作されていたっぽいので、全てを収集するのはかなり難易度が高いと思われる。
その中でもこの【2005年 阪神タイガースリーグ優勝】の記念メダルは出回りやすい方で、メルカリやオークション等でよく見かける。数が出回っているのか、はたまた阪神ファンの心離れが多いのか、理由は定かではない。裏面が刻印できないタイプのオリジナルデザインなので躊躇するかもしれないが、ケースにはしっかりと「CHAHEI」の文字があるので安心されたし。刻印派には全く受け入れられないタイプのメダルだが、それを気にしない派であるならかなり凝ったデザインのメダルであるといえよう。
この記念メダルは2005年の阪神タイガースリーグ制覇時に、それを記念して阪神百貨店限定で販売されたものである。凝りすぎていて茶平工業製か判断がつかず躊躇してしまうくらいである。
2005年のプロ野球で最大の話題といえば、「東北楽天ゴールデンイーグルス」のパ・リーグ加入である。「近鉄バッファローズ」のリーグ脱退を契機としたパ・リーグ新規加入ムーブメントを巻き起こしたホリエモンと今は亡きライブドアであったが、後から漁夫の利のように出て来た楽天に全てをかっさらわれる形で「東北楽天ゴールデンイーグルス」が誕生した。ちなみにライブドアが新規加入していれば「ライブドアフェニックス」というチーム名になる予定であった。「遊べる本屋ヴィレッジヴァンガード」には、このライブドアフェニックスのユニフォームが売っていた。今にして思えば一枚買っておくと、単純に「幻の球団」という以上に色々とネタになったかもしれない。忘年会の衣装とかで。
そんなこんなで新規加入となった楽天は、公式戦初試合でロッテから3−1で初勝利を挙げる。しかし、翌日のロッテ戦では26−0という大敗を喫し、黒歴史に名を刻んだ。初戦は楽天にとっては「歴史的一勝」であったが、ロッテにとっては「歴史的一敗」であり、その怒りが大爆発したような結果である。負けた方が悪いと思うけど。
ちなみに阪神もこの年、今は亡き「村上ファンド」によって親会社の「阪神電鉄」の株式が大量購入され、なんとな〜くな危機に陥った。それを原動力にリーグ優勝をもぎとったのかもしれない。
そんなこんなでプロ野球界の歴史に残る年となった2005年の日本シリーズを制したのはこのロッテである。「歴史的一敗」を原動力にして日本一をもぎ取った形であるといえよう。その陰にすっかり埋もれる形となった阪神であるが、凝ったデザインの記念メダルを作ったことにより、記念メダラーの間では永遠にその偉業が刻まれることであろう。こうしてブログで紹介されるわけだし。
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