1989年の読売ジャイアンツは、1985年から始まったV9時代の中盤に差し掛かる時期で、安定した強さでリーグ優勝を果たした。この年のジャイアンツで有名なのは、日本シリーズで近鉄バッファローズを相手に3連敗後の4連勝で日本一に輝いたことである。3連敗後の4連勝という劇的な成績なのだが、それよりも肝心なのは、その成績に至った経緯である。第3戦で勝利した近鉄のピッチャー加藤のヒーローインタビューでの「巨人はロッテより弱い」発言が物議を呼んだのである(ロッテは1989年のパ・リーグ最下位)。この発言が契機となって巨人が奮起しその後の4連勝へとつながったと言われ、この発言は大失言として有名となり、加藤は戦犯と揶揄されるようになった。
後年になって近鉄ピッチャーの加藤は「ロッテより弱いとは言っていない」と語っている。確かに件のお立ち台映像を確認すると「シーズンの方がしんどい。相手も強いし」というようなことは言っているが、「ロッテより弱い」とは言っていないーー確かに「ロッテより弱い」とは言っていないが、同じくらいヒドイことは言っている。救いの部分はロッテに失礼ではないくらいなものである。
そんなわけで、結局は巨人が怒って当然であり、失言であることに変わりはない。加藤はその後、お互いに優勝のかかった第7戦に再び登板し、2回表に巨人の駒田にソロホームランを打たれた。打った駒田はベースを回りながら近鉄ベンチに向かって「バカ。バーカ」と言っていて、なんだか愉快な話となっている。そういうことをして問題にならないというのもまた、時代である。今だときっと然るべきところからお叱りを受けることになりそう。
1989年は平成元年である。昭和天皇崩御のときのことは鮮明に覚えているのだが、この巨人の優勝に関しては全く記憶にない。こんな偉そうに語っているが、プロ野球に全く興味がないせいか、こんな面白出来事があったのにも関わらず全然覚えていないというのは、ちょっともったいない感じである。
なんか昔からプロ野球にはとんと興味もてないのよね〜。というか、サッカー・フットサルをやっているが、Jリーグにも興味がもてない。私はどちらかというと「仕事を抱えながらもスポーツを頑張っている」というアマチュア的な努力の方に昔から心惹かれる傾向がある。
またそれに通ずることで、「本業じゃない人が本業の人を倒す」というジャイアントキリングが昔から大好きなので、プロ野球にもサッカーでいうところの天皇杯のような、一部のトップアマチュアが参加できるようなトーナメントがあると楽しいのになぁなんて思うのだが、きっと実現しないだろう。アマチュアの参戦はプロにとっては全くメリットがないからね〜。勝っても得るものはなく、負けると失うものが大きい。
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