【販売場所】
@入場してすぐにある野ざらしなグッズショップ
備考:一般人の何気ない幸せポストによって発見され記念メダラーたちが色めきだった記念メダルイベント。
11月に滅亡予定が諸般の事情により9月末に滅亡が早まった王国
【恐竜王国 in 千葉ポートパーク】は2024年3月20日(水)〜11月30日(土)の期間で開催予定だった、【千葉ポートタワー】のお膝元、千葉ポートパーク内に特設されたイベントである。しかし、地球温暖化と異常気象のせいで王国が滅亡してしまうため開催期間が9月末日までに短縮された。滅亡してしまうのだから、それは仕方のないことである。
お隣でそびえ立つ【千葉ポートタワー】が古参な記念メダルスポットであるとはいえ、記念メダラーの間でこのイベントはまったくのノーマークであった。というか、開催していることを知っている人すらいなかったと思われる。
しかしながら、まったく意図しない一般の方の、子を思う親の心温まるポストから、巣の前に落とされた角砂糖に群らがる蟻のごとく、記念メダル集団がわらわらと発生したのであった!
恐竜だけにお馴染みの汎用金型が使われたティラノ&トリケラメダル……の中に、何やら見慣れぬメダルが一枚。
奇しくもこのポストが投稿されたのは9月の半ば——
記念メダル集団は「急がねば〜( ・∇・)」と滅亡寸前の王国へと向かったのであった。
ここに着いた瞬間、私の血肉は燃えたぎるように沸騰した——
これだよ、これ! これこそが記念メダルに相応しいB級感だよ!
最近の記念メダルときたらすっかり市民権を得てしまったかのように、大盛況イベントで飛ぶようにバンバン売れちゃってやれ売り切れだ、やれ再入荷しないだ、一体どうしちまったんだいおめえさん(【マクロス】関連イベントに向けた叫び)。
記念メダルといったら、誰も来ないようなB級スポットの誰も買わなそうなガチャコーナーでひっそりと、誰も聴いていないアニーローリーを流し続ける存在だったじゃないか。それが最近では「早く行かないと売り切れちゃうよ〜💦」なんて存在になってしまったものだから、記念メダル界隈が殺伐としてきてしまったんじゃないかい?(※昔の方がよっぽど荒れてました。今はびっくりするくらい平和です。あの地獄の公式掲示板が今では懐かしい……)。
そんなわけで、私の中で「これだよ、コレコレ」感が最高潮に達して、久しぶりに血潮が湧いた次第であった。
入場料は800円もするが、”登ったところで特にやることのない展望タワー”にほぼ同額で幾度となく登ってきた歴戦の記念メダラー達であれば、せせら笑いながら支払うことができる額であろう。この絶妙に”絶対に元がとれないだろう感”が醸し出される値段設定もまた良い。それを含めてのメダルエンターテイメントである(何ソレ?)。
期待に胸を躍らせつつ、いざ入場!
入場したらすぐに吹きっさらしの荒廃したグッズショップが眼前に現れた。このやっつけ感を取り繕う気がまるで感じられないクオリティこそ、我々記念メダラーが求めている記念メダルスポットクオリティである(他の人を巻き込む表現)。
そもそもこのショップ自体、本当に11月まで存続できたのか? というくらい吹きっさらしであった。大雨だったらどうするのか? と思う一方で、大雨だったらどうせ客は来ないからそもそも商品を全て仕舞っていたのかもしれない、と思うなどした。
あと、なぜかどんぐりが詰め放題であった。
いきなりうらびれた光景を見せつけられたものの、そこに記念メダル販売機があったので、記念メダラーとしては助かる仕様であった。記念メダラーは記念メダルを購入してからでないと落ち着いて見学できないタチなのである。
いざ周回コースの入り口に向かうと、
「スタンプラリー、やります……か……?」
と、アルバイトらしき女の子スタッフが、絶対にやらないだろうと確信しつつも全ての客に訊ねることが己の仕事であると自分に言い聞かせるような口調で、おずおずのスタンプラリーシートを差し出してきた。緑のトンネルを通るために腰を曲げるおじさんは、せっかくだからやってみたいと思ったものの、今後滅亡間際に大量に訪れるであろうちびっ子たちに万一行き渡らない可能性があってはいけないと考え、丁重にお断りした。……声を掛けさせてしまって申し訳ない限りである。
さて、ここからは恐竜探訪である。
順路に沿って進むと、そこには小規模で消極的な恐竜たちがたむろしているジュラシックパークin千葉が広がっていた。一般的な高校生が全力疾走したらおそらく30秒くらいで一周できるような周回コースであった。
ある意味で、非常に期待した通りの展示群に私の心は満たされた。この規模といい、この内容といい、サクッと味わえて疲れない。これが【国立科学博物館】の特別展クラスのイベントであるとこうもいかない。チケットを購入するところから気合いを入れねばならない(前売り買ってないと到着してすぐ入れないとかあるから)。
フラッと千葉まできて、ササっと見学して、メダル購入に満足してすぐ帰る——記念メダルスポットとの関係はまさに「立ち食いそば」くらい間柄がちょうど良いのかもしれない。ブログに起こすのも簡単で気が楽だし(個人的事情)。
さて、恐竜に全然興味がない私であるが、そんな私でも”一番好きな恐竜”なるものは一応存在する。
それは「プテラノドン」である。
プテラノドンは正確には”翼竜”であって恐竜ではないのだが、そこはまあ良いだろう。
こいつの一番好きなところは「お前が一番、鳥に進化したっぽいのに、お前じゃないんかい」というところである(鳥はティラノ系の二足歩行の恐竜から進化したらしい)。
あとYouTuberの宗世羅の動画を朝の通勤時間によく視聴しているのだが、この人がプテラノドンに似ていると自分で言っている。
プテラノドンの記念メダルをデザイン・販売してくれる業者さんは現れないだろうか?
意外と盲点でイケてると思うのだが。空を飛ぶって、やっぱりロマンよね。
巡回コースの最後には、”とりあえず作っとけ”でお馴染みのフォトスポット有り。
数々のB級スポットの数々のフォトスポットを探訪してきた私の評価としては、かなりレベルが高いフォトスポットであった。
見学の所要時間はパシャパシャとパンダを持って撮影しながら回っておよそ15分弱。
実にちょうど良い記念メダルスポットであった。人も少ないし。
人が少ないから9月末で滅亡なんだけど(*´ω`*)
入場料800円を払って、記念メダル旅の原点に回帰したような小旅行であった。本来こういう感じが大好きだから記念メダルを集め始めたあの頃の自分を取り戻した次第である。
別にこのイベント自体は全然、まったく、これっぽっちも楽しくなかったのだが(オイ)、この旅は本当に楽しかった。この旅をきっかけとして、これからの記念メダルとの付き合い方、新たな気持ちが自分の中で形を成した。
『マツコの知らない世界』に記念メダル枠で出演するのを諦めたって話である。
ぷらぷらしょうもないところに気ままに出かけて、「しょうもね〜」「しょぼっ!」ってなるのが好きだった。「どう楽しんだら良いのかわからない」が楽しかった。そしてそれを誰かと共有したいわけでもなく、純粋に自分の中だけで完結する趣味だった(若い頃は女性と二人で行くことも多かったのだが、”何らかの悲しいこと”があって一緒に行く女性が代わると、それまで集めたメダルのことで変な言い訳をせざるを得なくなるので、再び一人で行くことが多くなった)。
しょうもないところに行ったとしても、旅というものは自然と己の見識を広げてくれるもので、自分の世界が広がって行く感覚が好きだった。
それだけで良かったし、記念メダルという存在は、それを導いてくれるモノだった。
いつから、販売方法とか、生産数とか、レアリティとか限定数とか売り上げとか利益とかに文句を垂れ、転売に関する己の持論を語るようになっちゃったのかなぁ〜と思い返せば、ブログを始めてからだな、と。ひいては(コレクターの間では)知名度がある程度高まってからだなぁと。つまり、マツコ出演が目標であることを公言し、SNSをやり始めてからだなぁと思い至った次第である。
もともとこのブログは自分が所有しているメダルを販売機の前で確認できるようにするために始めたものであった。全メダルを持ち歩くことは実質不可能なので、データとしてスマホから閲覧できるようにしたかったのである。
まあちょっとまとまらない話になってきてしまったが、要するに、マツコ出演は断念。できればSNS(というか 𝕏)もメンタルヘルスを守るためにもやめたいと日々思っているという話である。SNSは人類にはまだ早すぎたというよく聞く話は本当に実感するところで、「おすすめ」に表示されるポストをだらだらと見てしまう時間は本当に非生産的だし、気分が下がるし、それなのについ見てしまう自分に対して自己肯定感も下がる魔のツールである。
この日、久しぶりに、純粋に、すごく楽しかった旅の気持ちを、また忘れてしまいたくないものだなぁ。
記念メダルについて
恐竜王国を名乗るだけあって、恐竜の王「ティラノサウルス」のご尊顔メダルである。なかなか迫力あるデザインで、個人的には同じお口開き系ティラノの【国立科学博物館】のティラノさんよりだいぶ好きである。
またラインナップを見ていただければ一目瞭然だが、大変歴史ある恐竜メダルのお二方も販売されていた。ちなみに両者は【千葉ポートタワー】でもまったく同じメダルが販売されている。
この場所での記念メダル的トピックスとしては、私は初めて遭遇した「販売機のエラー」である。
「E01」ってのはどんなエラーなんすかね?
後回しにして先に恐竜を周回してきて戻ったらすっかり販売機のご機嫌も直っていたので、結局どんなエラーなのか謎のままだったのであるが、とりあえず言えることは記念メダルコーナーもまた王国の滅亡に相応しい状態であったということである。
物事の終焉とは、かくも裏寂しいものであることよ。
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