静岡県【オークラ アクトシティホテル】 記念メダル

 浜松駅に直通している【アクトシティ】には、地方都市の駅ビルに造りがちな「展望タワー」がご多聞に漏れず建てられている。なぜ地方都市は駅に展望タワーを造るのか? なぜ人間は上空を目指すのか? 「バベルの塔」の過ちを未だに繰り返し続けている。

 そんなどうでもよい話は置いておいて、【アクトシティ】の記念メダルである。この場所は元々「アクトタワー」の展望フロアに記念メダルが設置されていたが、今年度のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にあやかって、「直虎ちゃん」なるゆるキャラを作り出し、ここぞとばかりに記念メダルを製作した。記念メダルの製作はむしろ歓迎するところであるが、問題は「出世大名家康くん」の方である。

 「出世大名家康くん」は、浜松市のゆるキャラである。かつ、なんとあの「ゆるキャラグランプリ」で栄えあるグランプリに輝いた、エリートゆるキャラなのである。家康繋がりでいえば、一時期ちょっとしたブームとなった家康生誕の地岡崎市のゆるキャラ「オカザえもん」ですら全国22位だったことを考えれば、快挙であるといえる。

 が。

 きっと誰もが思っているだろうことを敢えて声を大にして言わせてもらえば、言いたいことは2つある。

 まず一つ目は、知らねーという単純な話である。「ゆるキャラグランプリ」というグランプリの名称は有名なのに、R-1グランプリ優勝者「三浦マイルド」の存在をすでに誰もが忘れているように、「出生大名家康くん」とかまじで知らねーという「R-1グランプリで優勝してもそんなに売れない」という法則に似たものがここに存在する。

 2つ目は浜松に家康のイメージはないということである。全くと言っていいほど、ない。いや、無論この意見に浜松市民は――特に浜松市役所の広報担当者は、いろいろな歴史的証左から反論することだろう。そしてそれはきっと事実であるのだろう。

 しかし――で、ある。

 そんなの関係ねーというのが、一般的な感覚なのではなかろうか。だって、家康ときいて一番最初に頭に浮かぶのは「江戸幕府」か「関ケ原」だもの。次点で「三河(岡崎)」といったところで、家康くんが岡崎のゆるキャラであるのならまだわかるのだが、「えっ、家康って浜松で何したの?」という素朴な疑問が浮かび上がる。もちろんこれに浜松市役所の広報担当者はいろいろと細かく説明してくれることだろうが、そういうことではないのである。人から教えてもらわなければわからないようでは、イメージキャラクターとしての用を成していないのである。だから、「家康くん&三成さん」(テキトーに命名)は関ヶ原(岐阜県)にでもゆずって【関ケ原ウォーランド】あたりで記念メダルを販売してもらい、浜松市は初めから「直虎ちゃん」でいけばよかったのである。大河ドラマが始まるまで浜松市ですらその存在に気づいていないようではダメなのである。「おんな城主」なんていう歴史上稀有な存在を抱えながら、知名度のみに目がいき、歴史的に浜松にかすった程度の家康に熱をあげているからいけないのである。本当に大切なものを見誤った例であると言えよう。直虎も「何をいまさら」と嘆いているに違いない。おかっぱ頭の柴咲コウが。

 人間というのは、本当に大切な人のことを大事にしなければ、誰からも大事にされなくなるのである。浜松市がそうならないことを祈っている。というそれっぽい言葉で筆を置く。




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