【竜飛海底駅】は、かつて青函トンネル内に「吉岡海底駅」とともに設置されていたJR史上もっとも深い場所に設置された駅である。北海道新幹線の運行に伴い廃止され、現在は北海道新幹線が青函トンネルを通過する際の非常時避難場所として役割を担っている。
駅といっても本来の駅の役割を果たしていたわけではなく、見学整理券をもった者のみが下車できる観光施設としての駅であった。そして本来は非常時の避難所としての役割を担っており、外への通路は北海道側へ接続されていた。
前述のとおり現在は純粋な避難場所としての機能しかないので、「竜飛定点」という名前に改められている。ちなみに、2015年に青函トンネル通過中の特急から白煙が上がるという事故があり、青函トンネル開業以来初めてこの場所が乗客の避難に使用された。乗客はここから地上に出たらしい。気が気じゃなかっただろうが、保守点検を行う職員以外で唯一地上への通路を利用した人たちということになる。
私は鉄道には全く興味がないのだが、この場所へはぜひ行ってみたかった。男という生き物はなぜだか「秘密基地」というものに憧れを抱き、「秘密基地」に憧れを抱く者は不思議と「地下室」を夢見る。「秘密基地」とはなぜか「地下室」のように狭く、暗く、どんよりとしたものなのである。そう、日の当たらない場所にあることが、「秘密」たる由縁なのである。
そんなわけなので、男たるもの「海底トンネル」なるものは琴線に触れるのである(同じ理屈で「アクアライン」も興味がそそられる)。しかもその途中には、普段目にすることが珍しい「特別な駅」があるとなれば、そこに降り立って何かをしたくなるものである。そこで煌々と光り輝く青い自販機があり、ガコンガコンと海の下で刻印機の打刻音が鳴り響くとなれば、記念メダラー憧れの地だったのではないだろうか。
ちなみに、私が記念メダルの収集を始めたときは、まだ駅としての運営がなされていた。しかしそのときは北海道への行程を【太平洋フェリー】にふっていたので、利用することがなかった。順番間違えたな〜
現在でも【青函トンネル記念館】から有料でこの駅(定点)への見学コースが設定されている。が、プラットフォームへの見学はできないので、もう二度と「駅」に降り立つことはできないのである。残念。
思い立ったときにはすでにその手の届かないところへ旅立っているーーまるで叶わなかった恋のようである。私ごとだが、最近「叶わなかった恋」に敏感なので、自分で言って自分にダメージ大なたとえ。
コメントを残す