大英博物館の一部門であった大英自然史博物館
【大英自然史博物館展】は、2017年に国立科学博物館にて開催された特別展である。世界的に有名な博物館の展示物が日本で見れらるということで、当然の事ながらかなり評判を博した。私も行きたかった! 本家は入場料無料なのにこの特別展は1600円だったけど!(もちろん1600円はむしろ安いくらいであることは合点承知の助でございます)。
ウリはいろいろあったのだが、最もメディアに出てきたのは記念メダルの図柄としても描かれた「始祖鳥」の化石である(後述)。この展覧会は世界各地を渡り歩いて日本にやってきたのだが、「始祖鳥」の化石の持ち出しを許可されたのは日本だけであったらしい。この特別感に、日本人は弱いよね!
「自然史博物館」なので、動物や植物に関する展示がほとんどである。しかしさすが世界的な博物館の展示品で、「三葉虫が交尾しているところの化石」とかなかなかエグい展示物もあったようで、マジで行きたかった! 恐竜展とかいいから、この展覧会をもう一回やって!
「大英自然史博物館」はもともと「大英博物館」の「自然史部門」という一部門でしかなかった。ただ、「大英博物館」が拡張していくにつれて、有り余る展示物を分ける必要に迫られ、予てから分離することを主張されていた「自然史部門」が独立する形となった。ここには「ダーウィン・センター」というネーミングからしてダーウィンリスペクト施設がある。個人的に最近気になっているのがまさにこの「進化論」のことでいろいろと時間を見つけて調べているのだが、そのうち語りたい欲求に負けてどこかで語るかもしれない。ダーウィンの格言で「生き残るのは最も強いものではない。最も適応したものである」みたいなのがよく引用されているのを目にするが(特にICT分野で。技術の変革を受け入れろみたいな話でよく目にする)、この言葉って、私がはじめに「ほぇ〜」と感心して抱いた印象よりも、実はもっと深い言葉なのではないかと考えるようになった。どうしても我慢できないので簡単に述べると(自己中)、これはただ単に「進化」=「変化を受け入れる(適応する)」というような単純な話ではないのではないか、ということである。そう考えると、「最も適応したものが生き残る」という言葉の真意は、少し違ったものに見えてくる。語りたい、ああ語りたい。
大英博物館の申し子的マンガ作品
すでに述べた通り、大英博物館の「自然史部門」という一部門に過ぎなかったものが、収蔵品が膨大になってきたことにより独立する形で誕生したのが「大映自然史博物館」である。おおもとの大英博物館といえば、『C.M.B 森羅博物館の事件目録』である。
↑は、「大英博物館の秘蔵っ子」みたいな高校生が、「考古学に基づく知識」でいろいろな事件を解決していくという漫画である。姉妹漫画に『Q.E.D 証明終了』という作品もある。
↑は『C.M.B』と世界と時間が繋がっていて、一度互いの作品に主人公が出演し合った。こちらはマサチューセッツ工科大学を15歳で卒業した天才少年が、日本の高校に入学し直し、金田一少年ばりに殺人事件を解決していく物語である。『C.M.B』も『Q.E.D』も登場人物の構成は全く一緒で、元気でケンカの強い女の子がパートナーとなって主人公を先導していく。主人公はその女の子の尻に敷かれるながらも、最後にはピシッと鋭い眼差しであらゆる登場人物を諌める役割も果たす。
この「登場人物の構成が同じ」というのは、『ドラえもん』と『キテレツ大百科』の関係と同じである。「のび太=キテレツ」「ジャイアン=ブタゴリラ」「スネ夫=トンガリ」「しずかちゃん=みよちゃん」そして「ドラえもん=コロ助」となる。
同じ作者なのだから同じような人物構成になるのは当然なのかもしれない。登場人物の構成が同じということは、自然と物語展開のパターンも似通ってくることになるのかもしれない。「キテレツはのび太と違って頭が良い」(テストが70点だった〜と嘆く話がある)という主人公形成の根幹を成す違いもあるものの、基本的には少年三人少女一人ロボット一体による大冒険がそのストーリーである。『C.M.B』および『Q.E.D』も「頭の切れる主人公と武闘派の少女の探偵譚」という基本コンセプトは同じで、違うのは主人公がもつ知識が「考古学(あるいは博物館学)に基づく知識」か「数学に基づく知識か」かである。あるいは起きる事件の性質が考古学的か数学的かであるともいえる。
まったくもって関係ない話をしてしまったが、何を言いたいかというと、『C.M.B』はなかなか面白いのでマンガ喫茶とかで読んでみてね! という、ただそれだけのことである。はい。
記念メダルについて
おもて面に描かれているのは「始祖鳥」である。もう一種「大英自然史博物館」が描かれているメダルも存在するが、残念ながら見所有である。
始祖鳥はその名の通り「始まりの鳥」「最初の鳥」とされてきたが、近年では「恐竜」→「鳥」という進化が定説としてだいぶ浸透してきて、「羽毛恐竜」の存在も広く認知されるようになってきた(あのティラノサウルスにも羽毛があったのではないかと言われているそうで)。そういう意味では、始祖鳥は「始まりの鳥」ではないかもしれないわけである。しかしそれでもやはり始祖鳥は「始まりの鳥」であることは、「恐竜」→「鳥」の進化が大きく受け入れられるきっかけになった研究も、やはり始祖鳥の研究からだったことによる。始祖鳥、万歳。
化石とメダルの相性って実は良いのかも? と思わせる再現度である。金型職人さんは大変だったかもしれないが。
裏面は、一見するとオーソドックスなデザインに見えると思いきや、十二角形のお洒落なパターンである。「TREASURES」の言葉通り、お宝感をそれとなく演出している。このような「お洒落な裏面」を見るたびに、「次にオリジナルメダルを作るなら裏面に凝ろう」という想いが湧き上がる。スマローオリジナルメダル最大の後悔は、裏面をオーソドックスなものにしたことである。
裏面は茶平メダルのアイデンティティ。
次があるなら、ここを最大に凝りたいところである。刻印面を残し、茶平らしさを出しながら凝ったデザインにするのはなかなかセンスのいることである。「オーク・コーポレーション」のデザイナーの方は本当に素晴らしい。私にもそういったセンスがあれば、もうちょっと凝れたのにな〜
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