【販売場所】
@入場口横のグッズショップ(無料エリア)
備考:昔ながらの記念メダルな風体でありながら、オークコーポレーションの手にかかるとなんだかシャレオツ感が溢れ出ております!
一人で来ることは相手を困らせることでもある
【ウポポイ】は2020年に開業した真新しい施設で、元々は「アイヌ民族博物館」があった地にリニューアルという形で創設された国立の施設である。敷地内に中核施設として「国立アイヌ民族博物館」(メダルの図柄となっている)が併設されており、【ウポポイ】という施設を見学する≒「国立アイヌ民族博物館を見学する」といった感じとなる。
国立の施設であり、長きに渡るアイヌに関するこの国の法律や歴史があって誕生した施設であることから、このようなふざけ尽くしたブログ記事を書く者としては非常に立ち位置が難しい。アイヌ民族の歴史やその伝統を受け継ぐ人々、さらには都市伝説に近いような話から真面目な歴史学的考証等が入り混じる中で、私のようなにわかがそこに立ち入るのは極めて危険であると判断されるため、その辺については一切スルーする。民族自決権とかって、扱いがかなり難しいよね、実際……
そのため、私がこの記事にて記すことは、「実際に訪れて感じた率直な感想」と「私の人生の中のアイヌ民族」という2点のみとする。何が言いたかというと、もし何か気になる記述があったとしても、そこには悪意も他意も、何もないということである。正直アイヌのことは不勉強ゆえによくわかっていない。そしてこの施設を訪れて、それなりにじっくりと見学したのだがいまいちしっくりと来なくてよくわからないまま、というのが率直な感想である。
文化と民族の話題はどうしてもセンシティブな側面があるのでこのようなことを先に述べてしまうことをどうかお許しいただきたい。
さて、この施設の印象を一言で言うならば「綺麗」である。完成したばかりの真新しい施設なので、そこはさすがである。万年下痢気味の私も、安心して思いっきり用を足せたという点は非常に評価の高いポイントである。普通のお腹をお持ちの方にはなかなかご理解いただけないことかもしれないが、「トイレで安心して用を足せる」というポイントは極めて重要である。トイレの綺麗さは、その施設の評価の3分の1は左右する(当社比)。
券売機は今時な感じの自動販売機であった。とにかく何もかもが真新しい。何もかもが私のお尻に安心感を与えてくれる。ここならいつもよおしても大丈夫だよ、と。
入場ゲートを通ると、そこには大自然が広がっていた。
外、気持ちぃ〜( ´∀`)
いやー、大自然の空気が本当に気持ちよかった。たとえるなら、フルコースのゴルフ場に着いてコースに出たとき一発目の感想に近い感覚である。空気がうまいというやつだ! こう見えても私は昔少しだけゴルフをたしなみ、初コースで193という前人未到のスコアを叩き出しひっそりとクラブを置いた(数え間違いで193よりも多かった疑惑すらある)。そんな私にとってのゴルフの思い出は、「山、気持ちいい。早く帰りたい」である。
敷地内は池を中心にぐるっと一周できる造りになっており、6月とはいえ、ひんやりとした気持ちいい北海道の風を感じるお散歩的なことができる。愛する人とここをのんびり歩くことができたなら、自然と体は寄り添い合うことだろう。そしてそんな二人をアイヌの神々もそっと祝福してくれることだろう。いつもいつも同じことを言って大変恐縮であるが、こういうところは誰かと来たい。一人だと楽しみ方が難しい。
ところどころ入場できる施設があるのだが、その全てが「体験」をベースとした催しをしているものだった。たとえば家族等で来たならば子供にいろいろな体験をさせて良き経験とすることができるのであろうが、おっさんが一人でふらふらしていると、係の人も「こいつに声を掛けるのは正解なのか……(^◇^;)」という微妙な笑顔を向けたまま押し黙る(被害妄想)。もちろん私も、係の人と二人っきりで濃密な体験をする勇気はない。
そんなわけで、北海道の心地よい風を感じながらささささ〜とお散歩をして終わってしまったというていたらくでございました。
アイヌの歴史
敷地内に「アイヌ国立民族博物館」がある。この建物がこの施設の中核を成している。
見るからに立派な建物で、大きさも巨大なのだが、実際の展示スペースは思いのほかこじんまりしており、全てを見学するのにそれほど時間を要さない。
時間のない旅だったからむしろ好都合ではあったのだが、正直に言えば、建物外観から抱く規模の割には見るところが少なくて肩透かし的な気分になったことは否めない。国立と聞くとどうしても【国立科学博物館】のような超巨大な規模を想像してしまっていたので、期待値のハードル調整を間違えたといえる。
ただ国が建てた最新の博物館だけあって、ところどころに凝った最新技術が使われていて、目を引く展示もあった。
うーむ、楽しむのがなかなか難しい。。。
ここを楽しむには、アイヌ文化に関する予習が少しだけでも必要な気がする。やはり『ゴールデンカムイ』を読破してから足を運ぶべきだったか⁉︎
「興味がある」→「知的需要を満たす」という関係で成り立つのが博物館なのだなぁと改めて痛感する。ピヨピヨなド素人が見ても、何が何だかわからなすぎて興味の持ちようが難しい。せっかく来たのに、ちょっともったいないことしちゃったな〜という感じであった。
次に訪れるときには、必ず行きの飛行機の中で『ゴールデンカムイ』を読破しよう——そう誓ったのだった。
大自然のお仕置きを求めて
私の中で「アイヌ」といえば、一にも二にも「ナコルル」である。それ以外にはない、と言っても過言ではないが、次点として「リムルル」まで許容しよう(何が?)
ナコルルとは、SNKの格闘ゲーム『サムライスピリッツ』に登場する女性剣士である。
『サムライスピリッツ』が世に誕生したとき、私は小学生だった。自信をもって断言できるが、当時の日本の小学生が「アイヌ」という存在と文化のことを知ったのは、9割5分以上がこのゲームを通してだったはずである。逆にいえば、「アイヌ」という言葉を知っている「小学生100人に聞きました」を開催したら、100人中100人が絶対に「ナコルルのやつでしょ?」と答えたはずだ。他にない。
それを象徴するエピソードとして、私の実体験を一つ話す。
『サムライスピリッツ』が世に出て1、2年が経った私が小学校5年か6年生のときである。私が通う小学校に「アイヌ民族」の人たちが訪問し、交流をするという行事がおこなわれた。詳しいところまでは覚えていないが、全校生徒が体育館に集まり、そこでアイヌ民族に伝わる歌や音楽が披露され、独特な遊びを一緒になって体験する——といった内容だったように思う。
この行事のことが先生から告知されると、私とその友達は非常に興奮した。その当時、私とその友達は『サムライスピリッツ』にどハマりしており、放課後に100円玉1枚を握りしめて近所の酒屋にプレイしに通っていたのだ(今では想像つかないかもしれないが、当時は酒屋や駄菓子屋、街の小さなおもちゃ屋さんといったところにゲーム筐体が置かれていたのだ! しかもSNK系の筐体は100円で2プレイできた)。そんな状態だったので「当日は一体どんな美少女が来るのだろう? タカも来るのかな?(ナコルルは「ママハハ」という攻めた名前の鷹を連れている)」といった期待が冗談抜きであった。そしてそれは私と友達だけでなく、間違いなく学校中の男子の思考としてあった。
しかし、実際に来たのはおじさんたちだった。もちろん、おじさんたちには全然、まったく、これっぽっちも罪はない。だがしかし、来たのは全員おじさんだった。それだけが事実だった。
ただそれでも学校中の男子生徒が、形容し難い「憧れ」にも似た感情を抱いたまま行事に臨んでいた。アイヌの伝統衣装に身を包んだおじさんと一緒に、アイヌに伝わる遊びを行った(詳細は忘れたが)。共に踊り、話を聞く中で、『サムライスピリッツ』をプレイすることで成熟した「アイヌ」への憧れが、よりいっそう現実のものとして深まっていった。
それを象徴するように、行事の進行がすべて終了し、質疑応答があればどうぞという段階になって、真っ先に手を挙げた男の子が開口一番でこう質問した。
「あのっ! 名前は何て言うんですか? あと、普段はどんなお仕事をしているんですか⁉︎」
これは実は、学校中の男子生徒が行事の間中ずっと聞きたかったことである。ナコルル、リムルルと来ているので、あなたは何ルルなの? とずっと思っていたのだ。
代表者のおじさんが笑顔で答えた。
「あ、私、山本と言います。みなさんと同じ、普通の名前です。今はこんな格好してますが、普段はみんなのお父さんと同じように、スーツを着てサラリーマンをしていますよ!」
今思えば、このとき浮かべていた笑顔は、ちょっと苦笑い気味だったように思う。きっと、私の小学校以外の場所で同じようなことをしたときにも、同じようなことを聞かれるのだろう。つまり「あなた何ルルですか?」的な質問を、である。
案の定、行事終了後の解散後は、教室へ戻る道すがら、「普通の名前だったね……」的な話題があちらこちらから聞こえてきた。それくらい、『サムライスピリッツ』というゲームは当時の小学生の間で影響の大きいゲームだったのである、そんな格ゲーブーム世代。
で。
タイトル回収であるが、「大自然のおしおきよ!」はナコルル嬢が勝ち名乗りを受けた時の決め台詞である。このセリフから「アイヌ=自然(を司る者)」というイメージが世の小学生たちになんとなく根付き、実は私の中では今もってそのような認識である。だから今回「国立アイヌ民族博物館」の展示を見て、その認識は間違っていなかった印象をなんとなく受けたので、非常に安心した。
ただ一方で、正直どこまでいっても「アイヌ=ナコルル」は払拭できないところがあり、私の中では、実際にお会いした上記の山本さんよりやっぱりナコルルなのである。そういう意味では、『サムライスピリッツ』という格闘ゲームは、日本人の中にアイヌという文化を認識させる上では非常に大きな役割を果たしたといえる一方で、その功罪もあるのかもしれない。
記念メダルについて
記念メダルのデザインは安定の我らが「オーク・コーポレーション」である。オークにハズレなしっ!
特筆すべきは、超久々に登場した「マスコットキャラクターメダル」である。マスコットキャラクターは今では「ゆるキャラ」と呼ぶわけだが(それすら死語だが)、記念メダル界からすっかりこの文化はなくなった。他にはひこにゃんとトリッピーくらいなものである(いやもちろんもっとあるけどね)。
そんなロスト・カルチャーとなった舞台に、彗星の如く現れた新人が「トゥレッポん」である。しかもオークがデザインすると、イモっぽくなることで有名なキャラクターメダルもなぜだかすっかりオシャレな雰囲気を纏い出すのが記念メダル界の三大ミステリー(他の二つ不明)。
私はすっかりこのトゥレッポんを気に入ったため、お一人お持ち帰りにすることにしたぐらいである。以後の北海道の旅はこのトゥレッポんがお供となったのだった。
当ブログで何度も述べている、私が最も愛するゆるキャラ「さいたーマン」にもどことなく通ずる雰囲気がある。きっとそういうところが気に入ったのだろう。らぶり〜。
さて、このラブリーなトゥレッポん、実は女の子であることが施設の公式HPから発覚した! しかも年頃らしい。。。
今まで散々「トゥレッポん君」と呼んできてしまったこと、ここで謹んでお詫びしたい。本当に申し訳ございませんでした。
ちなみにネギでもカブでも玉ねぎでもなく、「オオウバユリ」という北海道の食用のユリらしい。右手に持っているのはオオウバユリから作った「トゥレプアカㇺ」という保存食らしく、お腹を空かせている人に出会ったらプレゼントするそうだ。つまりアンパンマンでいうところの顔だ。
久々に私の中で大ヒットしたデザインの一枚である。キャラクターメダルは、メダルのデザインだけではなくキャラクターの魅力もその良さを左右するところが難しいところだね!
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