邪道【ソウルオリンピック’88】 記念メダル

ソウルオリンピック 記念メダル 38ミリ

名古屋オリンピックがソウルで開催されます

 見出しは当時のタモリの持ちネタである(が、本当に言っていたかどうかは記憶に全然ない)。

 【ソウルオリンピック】は日本と因縁が深い。【東京オリンピック2020】が新型コロナウィルスの影響で1年延期となったことでざわついている日本であるが(しかも令和2年8月現在の日本、ひいては東京の状況を考えると、延期しておいて良かったと言わざるを得ない)、オリンピック開催においてざわついた先例が【ソウルオリンピック】であったといえる。

 1988年のオリンピック開催には、韓国のソウルだけではなく、日本の名古屋も招致に名乗りをあげていたのである。幻の【名古屋オリンピック】というやつである。

 【名古屋オリンピック】の招致に関してはいろいろと闇が深く、詳細はリンク先記事に譲るが、結果として【ソウルオリンピック】閉幕後に、招致に失敗した当時の元愛知県知事が自殺をした。

 なかなか重い話なのでこの話題はここまでにするが、とにもかくにも【ソウルオリンピック】は盛大に開催された。政治的な情勢でいえば、【モスクワオリンピック】=西側諸国不参加、【ロサンゼルスオリンピック】=東側諸国不参加、という道を辿ってきたので、久しぶりの全世界的なオリンピックとなったのである(お隣の北朝鮮が不参加だけども)。

 オリンピックって、開催するにあたって何かと問題が起こるので、自分の仕事だったら絶対やりたくないですな(小市民)。

ベン・ジョンソンが最も輝いた日

 スポーツの世界でドーピング問題が本格的に取り沙汰されるようになったのは、この【ソウルオリンピック】からであると言われているらしい。オリンピック競技の花形中の花形、陸上男子100mを制した「ベン・ジョンソン」からステロイド系薬物の反応が検出され、金メダルを剥奪されたことがきっかけであると言われている。

 私もこのことは非常によく覚えている。どれくらい話題になったかというと、当時幼少期であった私は「ソウルオリンピックは観てないが、ベン・ジョンソンがドーピングで金メダルを剥奪されたことは覚えている」というくらいセンセーショナルなものであった。これによって2位であったカール・ルイスが繰り上げで金メダルとなったわけだが、幼かった私はむしろこの話で初めてカール・ルイスのことを知ったくらいである(次のバルセロナオリンピックでの活躍はかなり覚えているのだが)。

 ちなみにベン・ジョンソンは、自分の財布を盗んだ子供を走って追いかけたけど、逃げられたらしい。やはりドーピングしないとダメなのか⁉︎

フジテレビ『トリビアの泉』より

 ドーピングはもちろん悪であり、使用者の肉体的な健康面にも害を成す否定されるべきものである。が、ドーピング問題は実はかなり繊細な問題をも含んでいる。なぜなら、「努力の果ての違反」という側面があるからである。同じ「薬物」というカテゴリーでありながらも、いわゆる麻薬等とはまったく異なる性質の問題なのである。

 単純な話、筋肉増強剤を注射しても、強度の高い筋トレをしなければ筋肉は膨れ上がらない。「楽をしたいから使用するわけではない」というところに、禁断の手段に手を出してしまったトップアスリート達の悲哀がある。どんなに努力をしても及ばなかった才能を補う最後の手段が、ドーピングなのである。そして自らがもっているはずのその才能も、決して小さなものではなかったはずなのである。少なくても、使用するに到るまでの舞台に上がるまでは、単純な努力だけでブイブイ言わせることのできた地元クラスでは超有名なトップアスリートであったはずなのだ。

 ドーピングに手を出すまでに至るドラマは、きっと複雑なものであるに違いない。いや、もちろん何も知らないけれども(・Д・)ムセキニン

記念メダルについて

 掲載メダルの大きさは38ミリ(デカメダル)である。

 実は31ミリの刻印部ありver.の存在も確認されている。というか、以前ヤフオク!で競り負けた経験がありをりはべりいまそがりである。そちらも欲しい——というか、そちらが欲しいですな! 実際!

 すでに述べたとおり、実現しなかった【名古屋オリンピック】のメダルも存在するので、世にも不思議な「同年の2つの夏季オリンピック記念メダルが存在する」という唯一無二の年が1988年ということになる。

先走ってやる気が空回りして恥ずかしいパータンのメダル

 私の超勝手な予想では、延期となった【東京オリンピック2020】はそのままの名称でいくという取り決めとなっているが、来年になれば結局「東京2021」みたいなグッズも販売するんじゃないかなーと思っている。現在製造・販売中のグッズ等さえ無事にさばければ、名称変更しても特に問題なさそうな気がするので。そのため、なんだかんだで最後にはマイナーチェンジをしてプチ起爆剤としてもう一度盛り上げようとするんじゃないかなと思っているのですが、どうでしょうね〜

 デザイン的には「すげー古臭い」という印象である。もちろん88年は私にとっても「昔」であるが、記念メダルのデザイン的には上記【名古屋オリンピック】のメダルのように、割とポップなデザインも珍しいものではない年代である。こんな小学校の卒業記念でもらうキーホルダーに描かれているようないかにもな人物画の時代ではない。

同じおっさんが走っている疑惑⁉︎
国体選手からオリンピック選手への成長の軌跡=記念メダル

 まあ一言でいえば

超ダセー

 という図柄ですな(°▽°)

 つくづく思うのだが、私は記念メダルが好きなのでこのメダルも最終的には「好き」カテゴリーに当然入るのだが、特にメダル収集をしているわけでもない一般の方々は、何を思ってこんなダサいメダルを購入するのだろうか。しかもケース販売なので、恐らくはめ込むキーホルダーやネックレスが一緒に販売されていた可能性もかなり低い。本当にメダルだけなのである。バック等に付けることもできないのである。このメダルを一体どうしようというのだろうか? 刻印もできないし。

 88年当時の価値観であれば、ディスプレイとしてリビングの棚の上に飾ってあっても、お洒落な小物としての機能を果たせていたのだろうか。ちょっとその辺の美的感覚的なところは、当時幼少期であったがゆえにあんまり覚えてない。当時なんらかのきっかけでこのメダルをもらったとしても、近所の公民館に飾ってあるモニュメントのおっさんみたいだなと思った確率85%であると思うが、もしかしたら超絶かっこよく感じた可能性もわずかながらにある。なぜなら、私は記念メダルなどというものを収集する変人だからである。

 記念メダル収集における避けては通れない道の一つに、「ダサい」=「むしろそれがイイ!」というパラダイムシフトがある(ような気がする)。これは自己正当化の一つであると思うので記念メダル収集を始める前にこの壁画調の男と出会っていても素直にただ「ダサい」とだけ思っていた可能性も強いような気がするのだが、もしかしたら素敵な角刈り短パンに心をときめかしていた可能性もなくはない。記念メダル収集を始めるということは、そうした素養があるということだからである(勝手に他の人も巻き込んだ決め付け価値観)。

 それにしても、オリンピック、楽しみですな!




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