茶平か微妙【皇太子御夫婦御成婚二十五年】 記念メダル

皇太子御夫婦御成婚二十五年 記念メダル

他人の銀婚式なんて知らん

 以前の職場で、私が会社の親和会の幹事長を担当した際、その「内規」に初めて目を通して驚いたことがあった。

 「銀婚式」該当者に5000円——

 そう、結婚25周年を迎えた親和会会員には、5000円の金一封が送られるのである。

 いや、そんな奴知らねーし

 というのが正直な第一声であった。実際に声に出して言ってしまった。

 実際、今まで銀婚式で祝金を受け取っている同僚など見たことがなかった。その会社では夕礼で結婚や出産の祝金を渡すという制度であったのだが、「銀婚おめでとうございます」なんて光景は一度として見たことがなかった。

 ただ、私はだからこそ「渡してみたい」という欲求に駆られたのである。人がやらないことを成し遂げるということに並々ならぬ意欲が湧き立った。

 かっこよく言っているが、「銀婚の人を探す」という、ただそれだけのことである。

 そこでまずは、幹事長就任の挨拶とともに私が熟読した内規の内容を説明し、「銀婚も金もらえまっせ〜、げへへへへへ」ということを報告した。もちろん今までの幹事長はそんなことを報告したことは一度もなかったため既に銀婚式を終えてしまった人は、不満をもつことは容易に想像できた。というか、そもそも歴代幹事長に訊いてみると、誰一人として銀婚で祝金が出るということを知らなかった。内規を一冊きちんと読んだ人間など、作成した人(初代社長)と私くらいなものだった。真面目か。

 ただ予想外に、銀婚を名乗り出る人は一人もいなかった。単純に「今年銀婚の人などいない」という可能性もあったのだが、私の予想ではむしろ「去年銀婚だったんだけど……」みたいな「過ぎ去ってしまった銀婚」の相談が私に寄せられるのではないかと予想していた。そしてもちろん、そうした人にも祝金を渡すつもりでいた

 誰にも声を掛けられないと、完全にスベッたことになる。
 人生において、ウケることこそ最大の目的である私の生き様に反する事態であった。

 ということで、ムキになった私は直接聞くという荒技に出た(絵に描いたような浅はかな行動)。そうしたら、最初に声を掛けた向かいの席に座る女性がまさかの今年銀婚だった。いや、言えよ、と思った。

 しかし、「言い出すのはなんか恥ずかしい」という意見に、何となく納得する部分もあった。そもそも、全然大きな会社ではないので、結婚も出産も基本的にまず上司に報告し、社長にもすぐ伝わる仕組みになっている。つまり、結婚も出産も幹事長には上司から報告があることであり(お祝い金の準備よろぴくねー、みたいに)、幹事長に「金をくれ」と言わんばかりに該当者本人が報告に来ることはなかったのである。

 そう、「実は銀婚なんです」と幹事長に告げに来ることは、「お金ください」と言いに来るようなものなのである。私は全然そういうことが平気なので(退職するときも「退職見舞金ください。いま」と平気で幹事長にいった)、その点の気遣いがまったくなかったのである。

 そんなわけでどうにかしようと悩んだ結果、「一人が名乗りをあげれば、他の人も言いに来るのではないか?」と思い至り、件の正面に座る同僚に「先陣を切ってくれませんか」とお願いした。

 が。

「みんなの前で話をするのは恥ずかしい。お金だけもらえるなら、もちろんもらう」というようなことを述べたので(要約である。いくらなんでもこんな直截的には言ってない)、「それは無理」とここでも変に真面目な私は変な真面目さを発揮してしまい事態はいよいよ混沌としていくのであった。

 いや、親和会の会費はいわゆる「みんなのお金」であるので、それを貰うならみんなにきちんと「ありがとう」を伝えるのは筋だと思ったのである。そのことを伝えると「え〜」と言われ、なんかもうこうなってくると「そもそも内規に『銀婚 5000円』とか書いた初代社長がファッキュー」となってくる。めんどくせーと。

 で。

 結局どうなったかというと、恥も外聞もデリカシーもない例のローラー作戦で、なんともう一人銀婚だという同僚を見つけ、「二人で一緒に挨拶するならどうですか?」ということで話をまとめたのであった。いや、本当にめんどくさかった。

お金をあげる

 という行為でこんなにも苦労する羽目になるとは夢にも思わなかった。どんだけお金をあげたいねん、私。私の金じゃないけどさ。

 という——

すげーどうでもいい話ね、これ。

 いやぁ、現上皇であらせられるお二人の銀婚を記念して作られた記念メダルであるわけだが、特に面白いエピソードとかも見当たらなかったので、苦肉の柵で私が関わった銀婚エピソードをただただ垂れ流すように披露したわけである。はい。ちなみに昭和五十九年は私はギリ生まれておりますが、このようなイベント一切記憶にございませんな! 

記念メダルについて

 実はこのメダルは35ミリ程度の大きさで、一般的な茶平工業製の3種類のメダルとは大きさが異なる。ただ質感や造りはかなり茶平製に近いように思える。

 とあることがきっかけで皇室系のメダルも茶平工業製であることが判明したのだが、果たして大きさが通常3種類と異なるこのメダルも茶平製なのだろうか
※茶平工業の資料で茶平製であることを確認しました。

 もはや茶平工業に訊いてみるしかないし、訊いてみてもわからないかもしれない。でも近いうちに訊いてみようと考えている。忘れなければ……

 ちなみに【金婚式】のメダルもあります。




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