↓38ミリメダル(デカメダル)
この記念メダルに関する詳細は不明である。メダルおもて面に「金沢」となかなか広い範囲での記述しかないので、どこで販売されていたのかは判然としない。ただ、おもて面の図柄はどう見ても「金沢城公園」の「石川門」であるので、金沢城公園周辺で販売されていたのではないかと推測する。ただし、金沢城公園の一般公開は1996年(平成8年)なので、記念メダルの古さから考えて公園内で販売されていたとは考えにくい(まあ刻印がないため記念メダルの製造年の推測もできないのだが。ただ38ミリメダルであることを考えても90年代ではないと思われる)。金沢城ゆかりの建物が次々と復元されて「金沢城公園」として公開される前から、図柄の「石川門」と、図柄にはないが「三十三間長屋」の二つは現存していたため、周辺の土産屋では金沢城ゆかりのグッズを販売されていたのではないかと推測する。そんなお土産グッズの一つとして、どこかで記念メダルが販売されていたのではないだろうか。
さて、石川県の金沢には数回訪れたことがあるが、考えてみると「金沢城公園」に入ったことがない。記念メダラーの悪い癖で、メダル販売がないと本来の観光たるものを忘れてしまいがちである。そうした所業は女子ウケがすこぶる悪い。キモいと思われてしまうから注意が必要だ。
その隣にある「日本三大庭園」の一つ「兼六園」には入ったことがあるが、当時まだ20代前半だった私には庭園の良さを理解するには早すぎたようで、「なんもねーやん」というボンクラな感想しか抱くことができなかった。今よりもさらに薄っぺらい生ハムサラダにのっているハムのような薄さの人間であったため、いまいち「金沢」が楽しい場所だという認識ができなかった。記念メダルがないと旅を楽しみきれないつまらない人間であったのである(あれ、今でもか?)。
その後、前の職場の社員旅行で再び金沢を訪れたときは20代最後の年で、雪降る季節に加賀温泉を堪能し、金沢の地酒に酔いしれ、古き良き街並みを堪能した。その程度には程よく歳を取っていた。2回目の兼六園を訪れたときにはなんと雪が降り積もっており、同行した同僚たちは雪化粧を纏った日本が世界に誇る庭園に感嘆の声を漏らしていた。まあ私は向かいの蕎麦屋で待ってたけど。いや、雪が降ってて寒くて疲れてたから早く暖を取りたくて……。極寒の雪の中を歩き疲れてもいた私に、「庭園」なるところにわざわざ入る選択肢はなかった。
その後、兼六園から私がいる蕎麦屋に合流した同僚の女性は「絶対行くべきでしたよ〜もう最高!」と感激した様子で雪の兼六園がいかに素晴らしかったかを熱く語っていたが、その話を聞いても、正直私は全く、1ミリたりとも後悔していなかった。熱く勧められた雪の兼六園よりも温かいうどんがうまかった。人間とは、知らなければ後悔しないようにできているのである。
金沢城公園なり兼六園なり、記念メダルが販売されていてもおかしくない場所であると考える。なんなら両方で販売されていてもよいくらいである。両関係者の皆様、どなたかぜひ記念メダルの発案してはどうでしょう。少なくてもコアな記念メダラーが一度は買いに訪れますよ。その際、くれぐれも入場料を払わずに済む場所に自販機を設置してはいけません(誰にも届きそうにない呼びかけ)。
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