京都府【平安神宮】 記念メダル

平安神宮 記念メダル 金
平安神宮 記念メダル 銀

@門をくぐってすぐ左手(2019.10現在)
備考:御朱印の行列を横目に、すんなり購入

そもそもこういうことを言う男はモテない、という話

ポンペイ展が開催された京都市京セラ美術館から徒歩3分!

 ここ【平安神宮】は「小綺麗な場所だった」という印象以外ほとんどない場所である。赤い鳥居と広大な砂利の広場が小綺麗で、京都という土地柄で求める神社仏閣の中では異色の場所だったように記憶している。時折電車の車窓から見える新興宗教の施設みたいな(怖いたとえ)。

 ここにはほぼ記念メダルを購入するためだけに訪れたのだが、来る前にはとある女性と京都観光をしていた。その女性は佛教大学の通信講座を受講していて、そのスクーリングのため1週間のみウィークリーマンションを借りて京都に滞在していた。で、私がマイカーのオーディオ弄りをしている最中に連絡があり、「遊びにおいでよ」みたいなことを言われたので、すぐに高速に乗って京都に向かった。人は私を子犬と呼ぶ。

 で。

 クルマ(私の)を手に入れたその女性は嬉々としてクルマ(私の)を運転して京都中を回り、私は隣に乗ってその趣向に付き合った。それで、最後にお情けとして訪れた場所が、ここ【平安神宮】なのである。記念メダルが欲しいと伝えると、「えー、なにそれー」とものすごくめんどくさそうな顔を隠そうともしていなかったが、しぶしぶ向かったのだった(私のクルマで)。

 その後、「京野菜」を多く使った居酒屋で食事をし、すっかり酔っ払った私は彼女のウィークリーマンションで寝る――かと思わせて、コインパーキングに停めたマイカーで寝た。キャンピングカーだったので余裕っちであった。人は私を安全装置と呼ぶ。もちろん費用は全額私もちさ!

 私はこの記事で、「女性に軽々しく手を出さない誠実な男」だとか「据え膳を食わぬ腰抜け野郎」だとかと言いたいわけではない。

 女性は、記念メダルには理解を示さない。

 というただ1点のみを述べているだけである。ガソリン代も含めて全額費用を負担しているのに、記念メダルを買いに行くことに「えーっ」と言われてしまう、そんな世知辛い男女の世界なのである。そしてそれを世知辛いと思う心の小ささこそ私の人生に「モテ」の二文字がなかった最大の要因であると思われる。まる。

時は経ち、再び訪れ……

変なクマと一緒に参拝することになりました

 上記の文章のことがあったのは、およそ8年くらい前のことである。当時は20代半ば——30代の半ばを過ぎた私は、再びここ【平安神宮】へと訪れることとなった。【京都市動物園】に来たついでに(徒歩10分以内。というか、すぐそこ)。

 時が経ち、時代は流れ、変わり、世の中は空前の「御朱印ブーム」となった。神社仏閣を訪れては300円程度でお気に入りの御朱印帳に記帳してもらうことが旅の醍醐味となっている時代がやってきたのである。事実、ここ【平安神宮】においても、かつて訪れたときにはなかった「御朱印は○○でお願いします」という巨大看板が数カ所に貼られ、記帳をしてもらえる窓口?にはなかなか長い列が作られていた。そして記帳をしている巫女さんはとても可愛かった(ありえないほど関係ない)。

 私はここで、「本来の御朱印の意味は〜」などという野暮なことを言うつもりは毛頭ない。むしろ、とある寺で副住職をしている大学時代の同級生がグーグル先生で「かっこいい御朱印」という画像検索をして自分の寺の御朱印デザインの参考にしている姿を見て、訪れる人の期待に応えようとする向上心があると感心したくらいである(パクリではない——インスパイアだ!)。

 御朱印目当てて神社仏閣を巡るのはダメで、観光目的で鹿苑寺金閣を見に行くのは良いとするのは、これ如何に。

 大切なのは「ひとんちにお邪魔する」というスタンスである。御朱印だろうが記念メダルだろうが、ひとんちで失礼なことを言ったりやったりするから、問題になるのである。

 と、そんなことはどうでもよくて、問題なのは記念メダル巡りブームがやって来ないことである。古参の記念メダラーの方々は、一部東京——ひいては【スカイツリー展望回廊イベント】や【国立科学博物館 特別展】において「記念メダルブーム」ともいえるムーブメントが起こっていることはご承知のことであろう。件のイベントではメダルが品切れになることなど珍しくはなく、開催から1週間しか経っていないのに全種売り切れという憂き目にこの身がさらされたことは記憶に新しい。

 が。

 「巡りブーム」が起こっているわけではないのである。例えば【国立科学博物館 特別展】において最後に訪れるミュージアムショップにて限定の記念メダルを購入した人が、「あー、メダルだ! 懐かし〜。カラーのメダルなんてできたんだ〜。カワイー。他の場所のメダルも欲し〜」となることは基本的にはないのである。あくまで「イベントグッズ」の一つでしかなく、それを「収集しよう!」という意識にまで高めることはあまりできていない印象である。記念メダルの認知度がかつてほどではないにせよ少しずつ向上してきているいま、次なる壁はこの「巡りブーム」であると思うのである。

 近年、様々な「巡り」がブームとなっている。「マンホールカード」「ダムカード」「道の駅スタンプ」etc……。この中で「御朱印」は最も世に受け入れられている印象である。受け入れられているがゆえに批判も巻き起こっており、記念メダルはそのレベルにまで達していないわけである。例えば「施設に入場せずメダルだけ買おうとするのはいかがなものか」みたいな批判がメディアで取り上げられたことはない。

 世に広く受け入れられる趣味となることがよいことなのかどうかは賛否が分かれるところだろう(マイナー趣味だからこそ良いと思っている人もいるだろうし、メジャーな趣味になって初めて「昔はよかった……」と思い至る人もいるかもしれない)。しかし個人的には、もう少し世に受け入れられてもらえると、人と巡りやすくなるなぁと思ったり。メダルを全種類買っている姿はいつまでたっても変なものを見る目に晒されるぅぅぅぅぅ〜

 まったくの余談だが、記念メダラーとして考える「御朱印」の一番良い点は、売り切れがないところだね!

うまっ! こういう才能が欲しい

記念メダルについて

メダル販売機、刻印機と並んで外貨両替機が並ぶのが時代の世相を表している。事実、参拝客の半分は外国人であった。赤の統一が美しい(鳥居を意識?)

 この場所は恐らく、結構長いこと記念メダルを設置していると思われる。金メダルと同じ金型を使用したと思われる銀メダルは、現在では販売されていない。そして恐らくは、昔は銀メダルのみの販売だったのではないだろうか。別記事で少し触れたが、昔は銀メダルが主流だったのではないかと私は考えているのだが、それを根拠づける一つの証拠となるメダルでもある。おもて面背景が刻印面と同じようにザラザラタイプなのが時代を物語っている。また、銀メダルの方が刻印面が少し広いことも、金メダルよりも時代が古いことを示す要素の一つである。

 こうして歴史を紐解いていく作業も、邪道系記念メダラーの楽しみの一つである。まあ茶平工業に訊けば一発でわかる問題かもしれないけど~。

300円は現状記念メダル最安値である。これを下回る価格と出会う日は来るのか⁉︎
ちなみに見本メダルは刻印スペースが幅広な旧タイプ。欲しい。




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