@入場してすぐのミュージアムショップ入り口横(2018.8現在)
備考:もうすぐ販売終了しそうな雰囲気ありあり
静岡県でも特殊な位置の伊豆半島
静岡県は伊豆の最南端に位置する【下田海中水族館】。この場所を制する者が静岡(の記念メダル)を制すると言っても過言ではない(いや、過言かもしれないが……)。なぜなら「東名」「新東名」沿いではないからである。高速道路を降りてから本当の勝負が始まるのである。「伊豆縦貫道」等の無料区間を含む自動車専用道路がある程度あるものの、目的地までは遠い。果てしなく遠い旅路となる。
私の住まいは静岡県の主要な場所であるならば日帰りが可能であるのだが、伊豆ーーそれも下田まで行くとなると、路地裏で見るからに怪しい人から「眠気が吹き飛ぶ薬」でも買って注射しない限り日帰りでの往復はかなり厳しい(ダメ、絶対)。そんなわけで新東名の「清水PA」で前日入りの車中泊をし(ここでいう「車中泊」とは3時間程度の仮眠のことを指す)、早起きしてもやっている24時間営業の「伝説のすた丼」でもりもり朝食を食べ、えっちらおっちら下田へと向かったのであった。ちなみに清水PAからでも余裕で2時間以上掛かる。伊豆縦貫道での渋滞も必至で、とにかく遠い。
また、住まいが近くではなく、私のように早々行けないという記念メダラーは一発で伊豆関連のメダルを入手しようと考えると思われる。その場合、取りこぼしのないよう、かつ、帰りの効率を考えると南から北上していくルートを取ることになると思うので、【下田海中水族館】→【izoo】→【熱川バナナワニ園】→【大室山】→【伊豆シャボテン公園】と結構な移動距離&時間を掛けることになる。私はこれらに加えて【三島スカイウォーク】にも行く計画を立てたので、感傷を一切捨てて鑑賞であった(うまいこと言ったつもりです。はい)。日本人とは、休日でさえも時間に追われて生きる人種なのである。
ちなみに今回の計画は夏季営業時間を利用することによりギリギリ間に合った。具体的には、【下田海中水族館】は8:30開館と通常より30分早く、【三島スカイウォーク】は18:30まで営業と通常より1時間長い営業時間であった。そして【三島スカイウォーク】に到着したのが18:00頃であったので、まさにギリギリセーフである。伊豆の自動車専用道路は行きも帰りも渋滞があり、時間的に大変厳しい道のりであった。隣に女子を乗っけていたら間違いなく機嫌を損ねているところであったが、幸いにも隣に女子はいなかった。ええ、いつも通り。
誰もが一度は経験する悲劇……いつか笑える日が来る、そんな日を夢見て
8:30開館ということでちょうど着くくらいに向かったが、10分くらい前に到着した。そしたら複数の家族連れがすでに入り口に並んでいて、なんだか思ってたんと違う……という人気のある水族館であった(失礼)。家族連れが並ぶ中、一人で水族館に並ぶ30半ばのおっさんを見る目は当然冷たい。しかしそれはみなさんが悪いのではなく、タンクトップ姿で並ぶ私が悪いのである。車中泊をする予定であったので寝巻きのタンクトップ(サッカー用のインナーシャツ)とハーフパンツで向かい、翌朝着替える予定であったのだが、ジーパンは持ってきたものの上に着るシャツを忘れるという致命的ミスを犯す。故に、ジーパンの上にアスレタのタンクトップを着た控えめに言ってダサいおっさんが出来上がり、全くもってご家族連れのみなさん、いらぬ不安を与えてしまってすみませんという他なかった。言ってないけど。
記念メダルは入場してすぐにあるミュージアムショップにある。が——
なんと1種類売り切れであった。記念メダラーはこの光景を「絶望」と呼ぶ。
しかし記念メダラーであれば知っている「売り切れランプが光っていても、中に2、3枚残っていることがある」というトリビア。下田はそうそう来られる場所ではないので、恥を忍んでお願いしようと決意。ただ、私の個人的な想いではあるが、こういったイレギュラーなことをお店の人にお願いすることは気が引けるし、気が引ける人間でありたり続けたいとも思っている。こういうことをお願いすることは当然の権利を行使しているわけでは断じてないわけで。また個人的な思いとしても、本来「売り切れ」と為されていたものを、お店の人に頼み込んで通常とは違う形で手に入れたという話は、素直に「良かったね」とは言い難いものがある。「売り切れ」だったから諦めた人もいるかもしれないわけなので。まあ、「結局お願いしたんじゃん」と言われてしまえばそれまでなのだが……。
それでも、お願いするならば、お店の人が忙しくなさそうな時に、あくまで謙虚にお願いするべきであると考えている。それもなるべく話が早く通るように「①自分が記念メダルを集めていること」「②売り切れランプが点灯していてもメダルが残っていることがあること」「③それを確認してもらうことは可能であるかどうか」と順序立ててスムーズにお願いすることが肝心である。要は記念メダルに関してよく知っていることと「無理なら引き下がります!」ということを謙虚に伝えると、OKにしろバツにしろ話がすぐ終わる。
というわけで、人がいない時を見計らってさっきの順序でお願いしてみたところ、「はい、3枚残ってます。よく知ってますね」と苦笑されながら無事購入できた。ちなみに青い自販機の管轄はミュージアムショップではなくチケット売り場の人だということで、ミュージアムショップでは困った顔だけされて、都合さっきの説明を2回することとなった。見知らぬ人に自分が記念メダラーと名乗ることは思いのほか恥ずかしい、そんなレベルの低い記念メダラーである私。記念メダラーたるもの、お一人であることに恥じらいをもつようではいけない。
水槽ではなく海で飼育されるイルカ
館内は、なかなか年季の入ったいたって普通の水族館という感じである。【京都水族館】や【すみだ水族館】みたいに最近できた都市の中にある水族館のようにシャレオツな要素や凝った仕掛けは一切ないものの、いろいろと来場者を楽しませようとする工夫がなされていて好感がもてる。値段に見合うほど楽しめたかどうかというと微妙なところではあるのだが、そこは私の楽しみ方の方に問題があるのかもしれないし、そもそも水族館に一人で行っておいて楽しめないと文句を言うのはどうかと思うので、楽しみたい人は愛しき人と行くのが吉である。水族館はどうしても動物園より入場料が割高になってしまうものであるし。
しかしこれらの展示はおそらくオマケみたいなもので、この水族館の真のウリはイルカである。普通イルカは水槽で飼育されているものだが、この水族館では逆転の発想で「海が隣にあるんだから、海で飼えばいいんじゃね?」と、海を囲ってイルカを飼っているのである。この発想は和歌山県の【くじら博物館】と同じである。都会では絶対に実現不可能な施設であるところが「わざわざ来て良かった」と思わせてくれるポイント。めっちゃ遠いけど。
記念メダルについて
昔ながらのデザインで、「ザ・記念メダル」といった趣である。ただ「ゴマフアザラシ」の方はよく見ると意外と凝った背景デザインで一工夫がある。ただ、こういう点に着目するのは記念メダラーのみであり、収集癖を嫌う女子からは「それ買って、どうするの?」と瞬殺されそうな図柄であることは否めない。
最近のメダルって、こういう野暮ったいデザインが減ったような気がする。これもまた時代の流れなのかしら。私はこういったデザインが好きなのだが、それはきっと、「記念メダルが好き」という特殊な人間だからだろうと思われる。
ただ、売り切れになるほどには売れたのだから、最低でも500人(1ロット)くらいはこのメダル持っているはずである。何年かかったかはわからないけどね。
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