【販売場所】
@天守閣最上階
備考:8:30入場→9:00退場も可能な記念メダラーに優しいお城
早朝から開いているお城。うちの会社より業務開始が早い
【平戸城】は九州の記念メダル量産スポット・長崎県の中でポツンと離れ小島のように遠く離れた場所にあるので、南から北上していく形で回収していくと恐らくここは回りきれずに翌日に持ち越しとなる人が多いと思われる。人によっては「今日のうちに長崎県を終えたかったのに~」と歯噛みするあまり記念メダルを嚙み切ることになるかもしれない(いや、ない)。しかし心配することなかれ、なんとこのお城、朝8:30より開城しているのである! 小学校の登校時間のようなオープン時間である。そのため、まるでアディショナルタイムのような時間の使い方でこの城は攻略できるのである。鉄筋コンクリート製の再建城なんてどうせ30分もあれば見終わるだろうという超失礼な予測のもと、9時過ぎには次の目的地に出発する計画であった(再建城に訪れて1時間滞在したことは本当に稀)。
そんなわけで、【九十九島水族館 海きらら】から【平戸城】を目指して北上する途中にあった道の駅にて車中泊(仮眠)し、翌朝開城時刻ぴったりに入場してやろうと朝8時には到着。海を見ながら豪快に歯磨きをして待つ!
【平戸城】は小高い丘の上にあり、朝の陽光と相まって景色がとても良かった。これが俗にいう「すがすがしい朝」か!? と普段は陰鬱の極致を絵に描いたような日々を送る私の心は洗われるかのようであった。しかしそれと同時に早朝である故か猛烈な便意に襲われ、階段を昇りながら「この旅はここで終わるのか……」と絶望感が少しずつ私を侵食し始めた。右手に握るチェブラーシカの胴体を引きちぎらんばかりに握りしめ、私は階段を駆け上がった(ぬいぐるみを握りしめて階段を駆け上がるおっさんがいる地獄絵図)。しかしスピードを増せば増すほどそれに比例して便意も増すという「トイレに行きたいから走っているが、走っているからこそ便意が増す」というこの世界の究極のアンビバレンスを久々に体験することとなった。私はマラソン大会出場が一つのライフワークなのでこの地獄のような苦しみを味わうことは年に数回あるのだが、まさかこんな場所でそれを味わうことになるとは夢にも思わなかった。遠い異国の地でまき散らすことだけは避けねばならな――苦しい思考の中でその決意を固める一方、「いやむしろ、遠い異国の地だからこそ知り合いもいないし、万が一の時でもダメージ少なくね? 二度と来ないと思うし」と悪魔がささやくものだからうっかりケツ筋を緩めそうになってしまう罠にもどうにか耐えた。みなさん一度は経験がおありのことだろうと思うのだが、ピ〇ール瀧もびっくりのこのトランス状態に陥った人間は、もはや頭の中はトイレのことで120%である。100%あったはずの勇気は失われ、120%便意となる。
私が訪れたときはちょうど改修工事の真っ最中で、足場の骨組みがそこら中で組まれており、ただでさえ狭い道がさらに通りにくくなっていた。「神はなぜこのような試練を与え給うのか」とは磔にされたされたキリストも言ったとか言わないとか。
こういうときって、もはや自分の挙動に気を回す余裕がないわけで。めちゃくちゃクネクネしながら(自覚はある)天守閣入場口に到着したら、チケット売り場がもぬけの殻!? 時間が早すぎたのか、売り場のおばちゃんはまだ入り口付近の掃除をしていたのだった。しかし私のただならぬ様子を察してか、ほうきとちりとりを手にしたまま慌てた様子で戻ってきてくれた。あやうくおばちゃんの掃除の手間を増やすところであったが、こうして無事事なきを得た次第である。これを人は
早朝の罠
と呼んだとか呼んでないとか(呼んでない)。いや、人間の体とはよくできているもので、確かに私は日頃このくらいの時間帯に我が身を身軽にしにいっている。旅に出るとすっかりそうしたことを忘れてしまっていけない。
これ以後、私は「トイレ」を朝の最重要課題として旅の行程を進めるようにしたのだった。
鉄筋コンクリートの城はどう楽しめばよいのか問題
当ブログにて何度も述べてきたことだが、「鉄筋コンクリートの再建城」は事実上刀や鎧兜などの博物館と化していることがほとんどで、そうった物に興味がない私は楽しみ方が本当にわからないのである。しかもそうした城のどこもかしこもが、「他もそうしているからうちもそうしている」感が強く、展示されている刀剣とかにもそこまでこだわりがあるようには感じられないんだよね~。とりあえず「地元になんとなくゆかりのある(またはありそうな)お値段控え目の刀剣」みたいな、ぶっちゃけていえば無銘の品物の数々が隙間を埋めるように鎮座なされているだけなのである。個人的な想いとしては、こうした現状の打破をしてくれるお城が現れないものかな~と思っているのだが、この旅で出会った【島原城】の「キャンピングトレーラーに宿泊」という企画はかなりハートを掴まれた。同じことをしろとはいわないが、他の鉄筋コンクリート製再建城もぜひこうしたチャレンジをどんどんしてほしいものである(むしろ同じことはしてほしくない)。他と同じではダメなのよ~資本主義は~。
さて、ではここ【平戸城】はどうだったかというと、やはり残念ながら見どころは少なかった。トイレでお世話になっておいてひどい言い草だが、やはりここは「頑張ってほしい」というエールだと思って冷静に受け止めていただきたい。私は全ての記念メダルスポットに繁栄をしてほしいと本気で願っている。いや、マジで。
特に時間を掛けることもなく、計算通り9時過ぎには城を後にした(トイレにこもった分は予定オーバーしたけど)。ほぼ見たいものをみたいように見られたし、そういう意味では満足であった。ただ私としては特にそんなに不満もなく「まあこんなもんかな」という感じなのだが、これがガチの観光客であったならちょっとどうなのかな~と余計なお世話かもしれない心配を抱いてしまう。すでに述べたように改修工事の真っ最中だったので、それをよいきっかけに新しいことにチャレンジする施設へと生まれ変わって欲しいと願う。まあ本当に余計なお世話でしょうが。
ちなみに次の目的地【唐津城】へ向かう途中、記念メダル裏面に描かれた「平戸大橋」が図柄に描かれた通りに見られる絶景のポイントがあった。写真撮り忘れたけど……
記念メダルについて
記念メダル販売機は天守閣最上階の展望フロアに設置されていた。この辺も再建城でよくあるパターンである。
メダルのデザインそのものはとても良い感じであると思うのである。「お城メダルにハズレ無し」という記念メダル界の格言にある通り(あるのか?)、とてもかっこいい。しかしそれは「お城の外観が絵になる」ということ、つまりモデルとなったものの素材がよかったというだけに過ぎない。今後は外見だけではなくぜひ中身の方も磨いていって欲しいと切に願う次第である。そしてトイレをありがとう。
あっさり目の感想であるところが、特に深い思い出がないことを物語っているな~
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