【販売場所】
@1階売店横
備考:今となっては珍しくなった千円札使えない販売機&ブラウン管刻印機。いつまでも壊れないでいて欲しいね!
地球は丸かった
【地球の丸く見える丘展望館】は、千葉県の東のエデン「銚子」の、地球が丸く見える丘の上にある(何やその説明)。
多くの記念メダラーはここと【銚子ポートタワー】をセットにして足を運ぶことになるだろう。しかし、クルマ利用であれば10分圏内のこの両者であるが、こと公共交通機関組にとっては非常に難しい立地となっている。
まず「銚子電鉄」が難しい。田舎の赤字路線を地で行く私鉄であるので、1時間に1本しか電車がない。さらにはその銚子電鉄の最寄駅から両者も徒歩で10分以上は歩くことになるので、往復の時間等含めるとそれなりの時間となる。ちなみに【銚子ポートタワー】と【地球の丸く見える丘展望館】は5キロほどの距離にあるので、クルマで行けば10分だが、歩くと成人男性でも大体1時間くらいの時間は見積もりたい距離となる。
以上のことをまとめると、私のように電車の待ち時間が1時間くらいある場合、それでも電車を待つのか、歩いて次の場所へ向かうのかの決断を迫られることになる。
ちなみに私は【銚子ポートタワー】からここまで歩きましたよ。1時間弱。
素直にクルマで回るのが一番良い千葉。
銚子電鉄を使いこなすのは、鉄道シロウトの私にはかなり難しかった。1時間電車を待って、10分電車に乗って、そこから更に15分歩くより、1時間歩いた方が話が早いじゃんと3キロ過ぎまでは思っていたのだが、そこから先は「千葉はもうクルマで回ろう……」と決意を固めるための残り2キロとなった。いや、ぶっちゃけ距離としては5キロなんぞ日頃走っている距離と同じようなものなのでなんてことはないのだが、帰りの電車のことを考えると「◯時◯分までに到着して、見学時間は◯分間で、そこから駅まで◯分歩くとなると……」という計算をしながらの移動が必要となり、もしも計算通りいかなかったら1時間待つハメになるという緊張感がヤヴァかった。実際帰りはここから銚子電鉄「外川駅」までキロ6分半程度のスピードのそこそこのジョギングで向かうことになり、最終的には、出発しようと一度閉じた電車の扉を開けてもらって飛び乗ったくらいにギリギリであった。
銚子の記念メダル回りは心臓に悪いというのが私が得た結論である。クルマで行こう!
焦りの余り1階部分を撮影していないが、いわゆる売店となっていた。そこは【銚子ポートタワー】と同じような造りなのだが、決定的に異なるのは客がいる点である。そう、【地球の丸く見える丘展望館】には客が結構いた。「銚子の高いところから海を見る」というコンセプトは同じなのに、そこには明確な線引きが為される差があった。その差を生み出しているのが「地球が丸く見えるか、否か」である。
同じ「銚子の高い場所」でも、地球が丸く見える場所であると、そこにカップルが集まり、家族連れが集まり、一人旅っぽい女性も集まるのだった。
逆に、なぜ【銚子ポートタワー】からは地球が丸く見えないのか?
本当に美しいものは写真には写らない
byブルーハーツ
いやほんと、もっと丸く見えたんだけどな〜
みなさんもぜひ自分の足で確かめに行ってくれ! 日頃の行いが良ければきっと地球が丸く見えるはずだ!(←見えなかったと言われた時の保険)
比喩ではない駆け足
さて、展望台を見て回ったところで銚子電鉄の外川駅から電車が発車するまで残り12分。駅までは1.1kmほどの距離。Googleマップの計算だと徒歩で14分ほど掛かると出ている。
徒歩で向かうならもう出発して、しかも早足で、Googleマップ様の計算を上回る速さで向かわなければならない。しかしキロ6分半程度のジョギングで向かうならば5分弱の猶予がある。
ということで、上着を脱ぎつつ超高速で展望館の2階を撮影して回る。写真を見返すまで何があったのか正直忘れていたし「何でこんなん撮影したの?」と己に問い掛けたくなるものも収められていた。人間とは焦りの中にいると理屈を超えた行動に出る生き物なのだ!
とりあえず、この時の私はとにかく急いでいた——それだけは確かだ。サバ缶と女子高生を並列に撮影したこのときの心情を思い出すことはまったくできない。私の気持ちは銚子電鉄一直線であった。
しいていえば、駅に向かう道は基本下り坂で「あ〜地球はやっぱり丸いな〜」と思いながら駆け降りたことだけは覚えている。そう、地球はやはり丸かった。
そんなわけで、完!
記念メダルについて
古き良き記念メダル販売施設ということで、販売機が1000円札不可だったり刻印機がブラウン管だったり、なんだかいろいろと懐かしい。重度の記念メダル症候群の罹患者は、既存の販売施設を巡るというよりは、どちらかというと新作メダルを常に追っかけている感覚に陥る。そうなるといつしか出会う設備も10円50円OK &タッチパネル式の最新式の販売機&刻印機になりがちとなり、自分がメダルを収集し始めた頃のこのコンビと出会うと、えも言えぬ安心感に包まれる。なんだろう、このホームに帰ってきたかのような気持ちは……( ´Д`)y━・~~
メダルのラインナップも、いまではすっかり見なくなった”同一デザインで金銀”である。昔は金型作ったらとりあえず金銀両バージョン作っておくみたいな文化があった。で、記念メダラー側としては収集最初期の頃は「目的はメダルじゃねぇ! 旅の記念としてメダルを買ってるんだ! だからひとつの場所では1枚しか買わないんだ!」という鋼の決意のもと金メダルしか購入せず、後にもはや引き返すこと不可のさらなる記念メダル沼にハマってしまったときに「どうしてあのとき銀メダルも買っておかなかったんだ……」と激しく後悔することになるまでが、記念メダル収集における通過儀礼である。ちなみに自分にとっては【小松空港】などがこれにあたる。10年以上再訪できずにいたら、いつの間にやら銀メダルが消滅していたというね……
どんなに言葉を重ねても伝わらないのだが、それでも送りたい言葉は「迷わず買えよ」である。
デザインとしては、いわゆる”昔ながらの観光地のメダル”といった趣で、記念メダラー各位が高く評価し、世間一般からは”昭和臭のネタ枠”として 𝕏上で扱われがちなものとなっている。私もまた正直こういった金型デザインのメダルの方が良いな! と思ってしまう側の人間なのだが、きっとプリントでド派手にデザインしている物の方が売れるし原価も安くなるしで商売上は良いことづくめなんだろうな〜とも思う。コレクターではないマス層に訴求できないと商売として成り立たないし。
そう考えるとこの”金銀同一金型デザインメダル”は、ゆっくりと滅びゆく運命の中にいると言っても過言ではない。新規でこのパターンで制作されることは、個人制作以外ではもうないのではなかろうか。
裏面もまたイモっぽくて、それがイイッ!
この裏面の何とも言えない古臭さが”ザ・記念メダル”といった趣を醸し出している。これがプロとアマチュアのデザインの違いだ! と(本来とは逆方向で)言わんばかりである。しかしこれこそが記念メダルの本来の趣であったとも言える。
最近のメダルはとてもお洒落である。それが良くもあり、寂しくもあり。
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