滋賀県【ひこにゃんミュジアム】 記念メダル

ひこにゃんミュジアム 記念メダル

【販売場所】
@入り口横
備考:プリントメダルでお安く30種も製作したのも、くじ引き方式にしてコア層にコンプを目指させて無限に買わせるように仕向けたのも、何もかもが経済合理性の観点で頭が良いですな。ポケモンの売り方に似ている。

ひこねのよいにゃんこはどこへ行ったのか?

 【ひこにゃんミュジアム】は、彦根城のそばに城下町を模して整備された”四番町スクエア”の一画に作られたひこにゃんゴリ押し施設である。「ミュージアム」ではなく「ミュジアム」が正式名称であり、PCで入力するとカタカナ変換が毎回一発でうまくできず、地味にめんどい

 ひこにゃんといえば「ゆるキャラブームの先駆け」という輝かしい面と、2011年頃の彦根市と原作者もへろん氏との間で繰り広げられた法廷闘争が有名であるという負の面がある。特に負の面についてここで詳しい話は敢えてしないが、その法廷闘争の狭間で”ひこねのよいにゃんこ”というキャラクターが生まれ、そして彦根市ともへろん氏との和解によって滅殺されたことを、僕たちは永遠に忘れない。ひこねのよいにゃんこはきっと、たわわちゃんと共に著作権という名の草葉の陰の中で幸せに暮らしていることだろう。

 何が言いたいかというと、いつの間にかひこにゃんが3ポーズ以外にもするようになったなと思ったという話である(係争初期は、彦根市側は”決められた3ポーズ以外使用しない”という妥協点で決着していた)。さまざまなポーズでいきいきと躍動するひこにゃんの姿がそこにはあったのである。

思いのほか洋風な雰囲気の【ひこにゃんミュジアム】
この配色、なんかマクドナルドっぽいですな
いきなり青い箱があってホッと一安心

 入場すると、ミュージアムの展示自体は2階にあり、1階は主に物販スペースであることを知る。ひこにゃん好きにはたまらないほど、ひこにゃんが溢れていた。私は特にひこにゃん好きではないので「ひこにゃんがたくさん売られているなー」と思うなどした。

ひこにゃんのギューギュー詰め
記念メダルの永遠のライバル・マンホールカードもありました。これは人気でそうな1枚ですな。
ブログのネタ的にはここで昼食or夕飯を食したいところではあったのだが、【多賀SA】で”伝説のスタ丼”と出会ってしまったので、帰りにもう一度すた丼を食すことしか考えられなかったのよね……
あと、お値段は普通に近江牛にふさわしいものでございました。
誰っ⁉︎∑(゚Д゚)

 以前の私だったら記念にひこにゃんのぬいぐるみの一つでも記念に購入したと思うのだが、投資が趣味になった2025年現在、「投資信託は100円から入金できるんだぞっ! このお金を投資信託にぶっ込んだ方が幸せになれるだろ!」という思考が常に働く死ぬほどケチな人間にジョブチェンジししてしまったので、ひこにゃんとの邂逅は一期一会となった。きっとひこにゃんにとってもその方が心安らかであることだろう。

 滋賀県のマスコットキャラといえば、私はどちらかというとひこにゃんより”飛び出し坊や”の方が好きだったりする。

これ、超やりたかった!
こういうイベントに参加する心の余裕がある旅をしたいものなのですが、記念メダル旅ってなぜか「メダルに関係ないことには極力関わりたくない」みたいな気持ちになりがちじゃない? メダルを入手できたら「即、次ぃぃぃぃぃっ!」みたいな。
みなさんはいかがでしょう。
この人、とびだしとび太ってお名前だったの⁉︎Σ(゚д゚lll)

 なぜ「飛び出し坊や=滋賀県」なのかというと、その言説を広めたのはかの有名な記念メダル界の巨匠・みうらじゅん氏である。みうらじゅん氏のその独特の感性が飛び出し坊やに目をつけ研究した著書があり、その中で「どうやら滋賀県の琵琶湖を起点に飛び出し坊やの派生系が生まれている」という点に言及しているのである。つまり、飛び出し坊やはもともと手作りの物があらゆる形に変化しながら波及していったものなのである。
(昔読んだ著作のうろ覚え知識で書いているので間違っている部分があるかも)

 ぜひ飛び出し坊やのミュージアムも併設して、飛び出し坊やの記念メダルも製作して欲しいね!

 その時には、再び訪れよう。この地へ。

上からバケツで水をぶっかけられたら、私だったら激ギレしますな。そういう意味ではひこにゃん非道いわ。ひこねのわるにゃんこだわ。

ミュジアム内は撮影禁止

入り口のこれは別に禁止ではなかった……はず

 表題のとおりで、ひこにゃんミュジアム内はほぼ撮影禁止だった。そのため、お伝えできるものは唯一「撮影可」であった”栗に囲まれるひこにゃん↓”しかない。

これどういう状況なんですかね?

 展示内容はざっくりいうと「ひこにゃんの誕生から現在までの歴史(彦根市ともへろん氏との係争を除く)」「新キャラの誕生秘話」「生原稿」「地域に広がるひこにゃんの輪!(郵便局でメダルを売る企画の説明もココ)」といった感じのことを主にパネルで説明している。もちろん来たからには一度は見学するべき内容である。無料であることを考えれば、ボリュームは控えめといえどそれなりに面白かった。

 もへろん氏と彦根市との係争には”著作者人格権”という法律的概念が深く関わっている。怒られるかもしれないくらいすげー雑な説明をすると、ひこにゃんはもともと彦根市が彦根城築城400年を記念して公募した中から選ばれたキャラクターである。で、こういった公募では必ず”応募いただいた作品の著作権は当委員会に帰属します”みたいな制約を設けるのがマストなだけに(本件では市が著作権を買い取っているけれど)、要するにひこにゃんの著作権自体は彦根市に帰属しているのである(まあ本件では少し複雑で単純ではなく記念祭実行委員会が間にかまれるんだけど、省略)。しかし、「著作権は自分たちにあるー!」と彦根市が鼻息荒く勝手にひこにゃんの設定をいろいろと広げちゃって商売への活用も広げちゃったところ(例:近江牛の宣伝のために「肉付き」という設定を加えた)、「そんなものひこにゃんじゃない!」と怒ったのがひこにゃんの生みの親であるもへろん氏だったわけである。そこで登場するのが”著作者人格権”という法律的概念で、この”著作者人格権”は原則としてたとえ著作権が他に委譲されても”著作者人格権”自体は原案者に残るものであるという落とし穴がある(彦根市側から見たら)。で、この著作者人格権には”同一性保持”という概念があって、要するに「勝手に改造するのは許されない」という権利である。彦根市は先ほども述べた「ひこにゃんはお肉が好き」設定(ちなみに現在では「お団子が好き」という公式設定がある)を勝手に加えたり、もへろん氏がかつては描いたことのなかった「ひこにゃんの後ろ姿」を独断で創作してぬいぐるみを製作しちゃったりして商用利用がガンガンされていたところ、それに対して怒りの訴訟を起こしたのが原案者もへろん氏であったわけである。その後のことはウィキペディアあたりでみなさんご自身で調べてみると、いろいろと考えさせられる経緯がのっております。

 これは非常に難しい問題だと個人的には感じているのだが、みなさんはどっちが悪かったと思いますかね? 端的に言っちゃえば彦根市側からしたら「めんどくせー奴が描いたキャラクターを公募で当選させちゃったなぁ」というのが本音かもしれないし、もへろん氏・クリエイター目線でいえば「あまりにもクリエイターへのリスペクトがないYO!」と憤るのも当然の話なのかもしれない。

 どっちをどう思うかの私の結論は敢えてここには書かないが、一つはっきりすげーなと思うのは、もへろん氏って実は私より年下で、この係争が始まった2007年時点では20代そこそこの若者であったという点である。当時の私だったらその若さでは絶対に行政を相手取って訴訟なんて起こす気概はなかった。彦根市側も、自分たちが実施した公募に応募してきた当時はまだ名もなき若者相手にちょっとナメてたところは絶対にあると思うんだな〜。あと、法律の解釈の甘さが(著作権と著作者人格権の関係等)。

 係争が調停でひと段落した——と思いきや、その後まさかの原案者からのもうひとパンチとして例の「ひこねのよいにゃんこ」が登場しここから正式に世間をザワつかせたわけであるが、この騒動があったからこそ現在のさまざまなポーズのひこにゃんが誕生し、ひいては【ひこにゃんミュジアム】が誕生したといっても過言ではない(【ひこにゃんミュジアム】はもへろん氏が監修している)。

 要するに、若きいちクリエイターが行政を相手に戦いを挑み自らの道を切り拓いたという点は素直にすげーなと思う次第である。それが良いことかどうかは意見がわかれるところとして。絶対私にはできないだろう(ほぼ同年代の人間として)。

 邪推でしかないが、【京都タワー】がロクに交渉テーブルに付かず(もへろん氏側談)”たわわちゃん”をあっさり切り捨てちゃったのは、こういう過去があってのことからなのかもしれないね! 知らんけど!

復活の日はあるのかしら
ひこにゃん以外はおおむねわからん。右隣は家康くん味がある。

ひこにゃんがいた

その佇まいには先駆者としてのオーラが宿っていた

 この施設ではひこにゃんに会える。その昔は【彦根城】敷地内に専用ステージがあったのだが、今ではこちらにお引越しである。

 ちなみに当日はどしゃ降りの雨で、ひこにゃんがカッパを着て登場した。ひこにゃん用のカッパを用意しているところに、運営委員会のしごデキ感がうかがえる。どうせ着ぐるみだから別にええやろみたいな甘い考えは、そこにはないのだ! これが仕事というものなのだ!

民衆の間を闊歩して登場するカッパひこにゃん。
そのうち記念メダルの図柄になりそう。
写真からは伝わらないと思いますが、マジで威風堂々としていて、ゆるキャラ界の征夷大将軍としての風格を感じた。
お正月の記念参賀のような光景である。
民衆へのお言葉を下賜される。

 ステージに到着しカッパを脱いだあとは、文字通り”独壇場”である。動いているひこにゃんがそこにおわしまするだけで周囲半径10メートルが厳かな中にある品の良い笑いに包まれる。

 ひこにゃんの良いところは、謙虚さを失っていないところである。決して横綱相撲は取らない。

 風格の中にある謙虚さは、観客にもまた影響を与える。皆、節度ある笑いと呼応で場を和やかな空気が包み込む。

 これが”知られている存在の力”というものであろう。とにかく、双方に無茶がない。そして、ボケに対して笑ってあげる優しさがある。これは職場でよくある「何を言うかではなく、誰が言うか」に通ずるものがあるなとも思った社畜サラリーマンである私(唐突な悲壮感)。

ベテラン漫才師とかが見せるステージ上の謙虚さに似ている
マジな話、ひこにゃんはプロの仕事をしておりました
司会のお姉さんとも息ピッタリでしたよ。
司会のお姉さんの、進行を淀みなく進めながらも決して自分は前に出ない姿勢には学ぶものがありました。
私が司会進行をするとすぐに自分のボケを挟みたくなるので、本当に良くないのです。

 ひこにゃんも誕生から20年近くになる。酒を飲み、タバコを吸うひこにゃんが見られる日も遠くないのかもしれない。生誕20周年記念の記念メダル等を発売される際には、ぜひそのような図柄はいかがであろうか。

なんかパンダのぬいぐるみ持った変なおっさんいるなー、と横目でチラ見して内心恐怖するひこにゃん

記念メダルについて

このディスプレイはオシャレで良い。素晴らしい。

 【ひこにゃんミュジアム】はあの”青い販売機”でくじ引き方式販売を始めるという歴史に名を刻んだ記念メダルスポットである。そんなわけで、多くのダブりメダルを生み続ける罪深き販売機である。しかし私はその罪深さの恩恵も受けていて、この施設を訪れる前からダブったメダルを複数譲り受けていた。つまり記事トップ掲載のメダルは、ほぼ全てがいただき女子もびっくりなほどの頂き物である。

 施設誕生当初は全31種類と公式で謳われていたのだが、なんか途中で増えたような🤔 その辺、よくわかりません。まあ公式が31種類と言っているので、31種類ということで。上記↑のディスプレイには「30種類以上」と書いてあって、”以上”ということは”30”も含まれるんだなぁなどと考えつつ、もうようわからんです。はい。

 まあ売れ行きがよければそのうち種類を増やしていく戦略を取るでしょうから、それを加味しての「30種類以上」という表示だと思われる。プリントメダルは異なる絵柄を印刷すれば良いだけなので種類の増産が容易ですからな。

このディスプレイだと30種類のように見えるんですが。どうなんでしょう?

 ちなみに販売最初期にはコンプリート者先着5名に、ひこにゃんの生みの親”もへろん”の直筆サイン入りメダルがもらえるという企画があった。そして、これが数日でコンプリート者5名が誕生しソッコーで企画が終了し、ひこにゃんガチ勢の強さが記念メダル勢を圧倒するという出来事があった。記念メダル勢がおよび腰であるところを、ひこにゃん勢は躊躇わずガッ‼︎ といったね。

 ちなみに記念メダル界にはコンプまでの期待値を計算した猛者がいた。コンプまでの期待値6万円なら、ガチ勢なら全然アリな金額だったんじゃな〜いと思わなくもない。ダブったメダルは、手間を惜しまなければメルカリ・ヤフオクでだいぶ捌けると思うし。1枚500円という今となってはだいぶ割安に感じるメダル価格がハードルを下げている印象がある。

シグマとか超久々に見たので計算の仕方がまったくわかりません

 まあ私は出品の手間を惜しむ人間なので、メダルがダブること自体を忌避するあまり一枚目でダブったときにもうガチャを回すのをやめてしまった。

この端っこのボタンに命運を賭け……
問答無用でダブって呆然とするパンダ

 ここまでの話で「この売り方は良くないね」といった感じを醸し出していると思うのだが、実は私自身はそこまで阿漕さを感じていない。というのも、ポケモン関連の物の売り方の方がよっぽどエゲツないからである。

 例えば最近の例で最もわかりやすいのが、ポケモンカードゲームの『ポケモンカードゲーム MEGA スタートデッキ100 バトルコレクション』である。

 これ、「60枚1セットのデッキを100種類、ランダムで販売する」という戦略ですからな。1セット60枚で891円はポケカの元々の値段を考えればかなり安いのだが、原材料が紙だと思えば別に安くないし、891円の物をランダムで販売し、100種類をコンプリートさせるために100個以上を買わせようという金を惜しみなく出すマニア相手の商売の臭いがプンプンして「これが本当の商売というものだ!( ゚д゚ )クワッ」という大人の世界を見る思いである。「この方が売り上げがあがるのに何か悪いの?」と頭の良い大人たちに説かれる資本主義の正義を体現しているかのような商品と言えよう。

 このように考えると、ひこにゃんは実に可愛いものであることよ。

 ちなみに完全ランダム販売というわけではなく、一部ではあるが狙ったメダルを入手する方法も用意されていた。これはミュージアム内にも案内があり(撮影禁止エリアなので案内の写真は無い)、メダルの図柄が実は郵便の消印にも採用されていて、その消印が押せる郵便局で消印と同じ図柄のメダルが個別に販売されていた。

 私は巡ってない。しかし、これもまた記念メダルスポット也。

 あと、この建物を離れたところにも販売機が設置されていたらしい。しかも【多賀SA下り】にあるサンリオコラボ販売機と共に。

 そんなわけで記念メダル界隈に悲喜交々の話題を振りまいて大変盛況であったひこにゃんメダル。記念メダル界隈としてはどうしても【京都タワー】の結末(※たわわちゃんのことをご自分でおしらせください)が脳裏をよぎる。ステークホルダ間のボタンがかけちがって一歩間違えればメダル総入れ替えor販売終了への道へと続く恐怖を抱えながら、今日も販売機から思い通りにはいかないひこにゃんメダルが吐き出され続けているのであった——




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