【販売場所】
@入場してすぐ左手
備考:のどかな土地にあるのどかな場所
庭園を楽しめるスキルと余裕
岡山県の【後楽園】は、「兼六園」「偕楽園」と並ぶ日本三名園の一つである。
私はこのうち、石川県金沢の「兼六園」に行ったことがあったのだが、正直あまり面白くないというか、「庭というものを良く感じるには自分はまだ若すぎるのか!」と思った。その辺の城址公園と何が違うの? と超罰当たりなことを思ったのだった。私には庭園を訪れる資格がなかったのである。
しかし、時は経ち、「あれ、後楽園……良くね? バックにそびえ立つ岡山城、荘厳じゃね?」と思ってしまったのだから、人間というのは歳を取る生き物であることが実感させられる。庭園を散策していたとき、私の気分はもはや水戸黄門一行に加わりのどかな田んぼ道を旅をしている気分であった。まあ、水戸黄門なら水戸市の「偕楽園」の方が相応しいだろうが。
庭園というものは、基本的には何もない。だから、若者が訪れると、「やることがない。見るものがない」と感じることが多いだろう。しかし、「やることがなく、見るものがないのが、良い」という心境になり得るのが、人間の不思議である。何があるわけでもないのに、人間はいつしか「のんびり」「のどか」というものに価値を見出すようになるようである。
まあ次の予定が詰まってたから、小走りで回ったんだけどね!
全く関係ない話
上記で述べたとおり、私は金沢の「兼六園」に行ったことがある。が、なにしていいかわからんという事態に陥った次第である。「庭園」という趣深い文化を堪能するには、訪れた時は若すぎたことよ(確か20代前半)。といっても、今訪れても恐らくやることは思いつかない。いくつになっても、いつまで経っても刺激的なアトラクションがある場所の方が面白い。最近歳を取ってきてつくづく思うのは、いつになったら歌舞伎が面白くなるんだろうということである。いや、別に歌舞伎でなくても、狂言でも能でも、はたまた盆栽でも演歌でもよいのだが、およそ「歳を取ってから面白く感じるようになるもの」というものが、これから面白く感じられるようになるとは全く思えないのである。このままでは何歳になっても歌舞伎を観賞するよりテトリスをやる方がまだ楽しいことだろう。唯一、「味覚」に関しては己の中の変化を如実に感じていて、最近ではやたらと漬け物がうまい。安い居酒屋に行ってもピザを頼むよりコクうまキュウリを頼みがちである(漬け物か?)。大学生の頃は何かとカルピスサワーを頼んでいたが、今ではすっかり「とりあえず生!」である。
庭園というものの魅力を感じられるようになるには、人間として大切な、決定的な何かが足りないのではないかと感じている。実際【後楽園】を訪れたときでも真っ先に思ったのは「トイレが汚そう」のみである(汚くなくて良かったのだが)。屋外施設は得てしてトイレがイマイチな場合が多く、お腹のゆるい私にとっては死活問題なのである。
「庭園」というものの味わい深さというものを体の芯から感じられるようになるにはどうしたらよいのだろうか。日本三大名園のうちの2つを訪れてこの感想なので、三大名園以外の庭園なんて訪れた日には目も当てられない。近所の公園との違いも理解できないかもしれない。後楽園から高みにそびえ立つ岡山城も、近所の城址公園にある天守閣を模したトイレとあまり変わらないようにしか見えなかった可能性大。
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