【販売場所】
@出口にあるミュージアムショップ付近(2019.3現在)
備考:親子連れのお父さんが「こんなのいらんだろ!」と怒鳴った直後にすごすごと大人買いするおっさんが一人
水族館はつらいよ 〜記念メダルの旅に節約の二文字なし〜
記念メダルを巡る旅で一つの障害となるのが、間違いなく「入館料」である。いくら節約しようと、これを節約する術はない。もちろん「15時以降は40%オフ」とか「誕生日は無料」とかきちんと調べれば節約する術があることはあるが、大規模遠征でそれを行うことはよほど計画的でなければ難しい。例えば【アドベンチャーワールド】は誕生日に訪れると入園料が無料になるのだが、私はミッキーマウスと同じ誕生日なので、これに合わせて大規模遠征を組むのはかなり難しい。夏季休暇や冬季休暇に合わせて私を爆誕してくれれば良かったものなのだが、両親も自分の息子がまさか「記念メダル記念メダル〜、げへへ〜」と言って喜ぶ不肖な人間に育つとは夢にも思っていなかっただろうから、それを求めるのは酷というものだろう。
それに加え、今更のようだが記念メダルは1枚平均500円と、なかなかお高い。一つの施設に数種類あると財布の中は実は気づかぬうちに爆死している。記念メダラーたるものは記念メダルを得た喜びが勝り自身の懐事情になかなか目が向かないものである。
何が言いたいかというと、記念メダルを巡る遠征は、いくら食費や宿泊費を節約しようと、財布の中身はいともあっさりと軽くなっていくということである。重荷にならないように気を遣うなんて、なんとも持ち主思いの財布であることか。
そして入館料が高く、また販売されている記念メダルの数が複数種類にのぼる施設の代表格といえば、「水族館」なわけである。ここ【マリンワールド海の中道】はそんな記念メダラー的王道水族館であった。旅も終盤に差し掛かり、ここに来てメガトン級のパンチを食らったかのように財布にダメージを負ったのだった……ちなみに駐車料金も520円とそれなりなのよね〜( ;∀;)
しかしそんなことを言っていても仕方がないので、えいっと入館したのであった。ちなみに私の前にチケットを購入したのはカップル、後に購入したのもカップルであった。まこと嘆かわしいかぎりである。水族館という場所は本来は水棲生物に関する研究施設であり、勉学のためにも一人で訪れるべき施設であるというのに一体いまの日本はどうしてしまったのだろうか。あ、言えばいうほど虚しくなるやつね、これ。
展示パネルを頑張っている施設は良い水族館の法則
恐らくではあるが、展示生物の説明パネルをポップでキュートなものにして来場客を楽しませるようになったのは、愛知県蒲郡市にある奇跡の復活を遂げた水族館「竹島水族館」である(記念メダル無し)。あそこの復活の原動力となったのが水族館スタッフ自らが手がけたお手製のPOPで、その内容が面白いと評判となり、信じられないくらいの業績回復をした。そこから、経営に敏感な水族館はいろいろと工夫を凝らした展示パネルを導入するようになった気がする。
この【マリンワールド海の中道】は、その説明パネルがかなり面白かった。そしてお金も掛かっていた。大型水族館が本気出せばこうなるんだといわんばかりの面白パネルばかりで、ついつい読み耽りかなり時間を食ってしまった。よそに本気出されると勝てないのよ、「たけすい」……(今はブランド化されて経営順調っぽくて何よりだが)。
ユーモアって大事じゃん?(唐突なタメ口)
面白い物を作ろうと思うなら、面白くしようと努力しなければならない。上記の展示パネルの数々は、「作ってみたらたまたま面白くなりました」なんてことはなく、そうした努力があってのユーモア、面白さなのである。で、こういうのって頭が固い人が偉い立場にいるとなかなか実現できなかったりするわけで。「悪ふざけ」と「ユーモア」の区別がつかないのかと文句を言う人は、大抵自身がその区別をつけられていなかったりね。。。
なかなか攻めた展示パネルだな〜と関心しきりであった。そしてこうした展示パネルを許した水族館の度量も素晴らしい。こういうのがアリだと、他の部分も自然と良くなるのが経営というものである(会社経営なんてしたことないけど、はい)。
面白い部分があると、他の部分も肯定的に見る法則
そんなわけで私はここ【マリンワールド海の中道】をとても気に入ったのであった。そうなると、様々な水族館を巡ってきた記念メダラーの端くれである私としてはどの展示生物も一度は見たことあるものばかりであったが、自然ととても良く見えてくるので不思議なものである。人間はやっぱり気持ち、ですな(知った風な口調)。
まあオーソドックスな水族館といえばそれまでなのだが、先にも述べたように展示パネルが秀逸なので、カップル向けというわけでもなくて、誰でも楽しめるよい水族館であった。意外とこういう水族館は少ない。昨今ではムーディーな雰囲気を重視したりやたりとキラキラ光るクラゲの展示をウリにしたりといった「カップルおいで」感が強い展示の仕方がプチブームなので、「展示生物をいかに興味深く魅せるか」という原点を大切にしながらポップでキュートな(言い方が古い)展示の在り方を追求した姿勢にはまこと感心した次第である。
私の中では歴代TOP3に入る、とても良い水族館であった。
懐かしのコラボが! 〜私の青春はドラグ・スレイブ〜
実は入館して早々最も私の目を惹いたのが、以下のものである。
「唐突にオタク趣味出してきて、何?」と思われたかもしれないが、私がオタクであることは全く否定しないので良いとして、何があったかというと『スレイヤーズ』ですよそこの旦那!(何?)
この等身大POPの女の子は『スレイヤーズ』といういわゆるライトノベルと呼ばれる小説作品の主人公「リナ・インバース」である。私はこの『スレイヤーズ』という小説にひとかたならない思い入れがある。私は何を隠そう三度の飯より読書が好きで、読書好きが高じて大学は文学部国文学科なんぞというこの世の何ものにも一切貢献することのない学問を学ぶ場へと進学してしまったくらいなのであるが、その原点はこの『スレイヤーズ』という小説であったと断言できる。当時小学生だった私はこの『スレイヤーズ』を読んで、小説の——ひいては「読書」の楽しさに目覚めた。つまり、この『スレイヤーズ』は「現在の私を形作る原点」ともいえる作品なのである。それくらい私にとって大きな存在なのである。『スレイヤーズ』と出会わなければ、極端な話、このブログだって恐らくは書くことなんてなかっただろう。
もっともそれが私の人生において功を奏したのかどうかは微妙なところなのだが。
「人間は現在の自分を肯定するために、過去の出来事をも肯定する。あの時のことがあったから今があるのだ、と」
しかし、今の自分の人生が最善のものであるのかどうかなんて、本当はわからないのである。違う選択をしたパラレルワールドの自分と比べる術はないのだから。そう考えると、「『スレイヤーズ』なんか読んでしまったから、回り回って記念メダルなんていう女子ウケの悪い趣味にハマってしまった。だからモテない」という構図がもしかしたら成り立つかもしれないのである(モテない理由はそこではない)。
いやそれにしても、懐かしい! 懐かしすぎて「なんで今更スレイヤーズ?」と真っ先に思ったのだが、結局「なんで?」の答えはわからないままであった。なんで今頃スレイヤーズなんですかね? なんなら25年以上前の人気作品でっせ? 今ほどオタク文化が世に受け入れられていない頃にアニメ化され、こっそり見ていたくらいである。そして水族館とどうコラボするのかも不明のまま、私の旅は続くのであった。。。
記念メダルについて
2019年3月の時点では、3種類のメダルが販売されていた。
ちなみにここはオークコーポレーション系の記念メダルスポットなので、茶平工業公式HPの販売場所一覧には載っていない。そのせいか、長らく「情報は過去に出ていたがあまり知られていないスポット」の一つであった。水族館名もあまり福岡県を感じさせないものなので、なんとなく情報が宙ぶらりんだったイメージである(九州の人からしたら「海の中道といえば福岡だろ」と思われるかもしれないが)。
ちなみに現在売られている3種類のメダルは全て過去に売られていたメダルとは別の物で、いつのまにか一新されていた。裏面の金型も一新されているので、なかなか気合が入ったメダルリニューアルである。
オーク系の記念メダルだけあって、デザイン面でも細かいところまで凝られていてハズレのない感じである。プロのデザイナーってすごいよね〜。私は正直あんまりビビッとくるものはないのだが(ないんかい)、「こういうセンスで図面が描ける」というのが心底尊敬である。もう一度オリジナルメダルのデザインにチャレンジしてみたいものである。宝くじ当たらないかな〜買ったことないけど(それは当たらない)。
(過去記事)
茶平工業訪問時に、記念メダル用インクジェットプリンターの下に置いてあった廃棄ボックスの中に数多くの犠牲の上に経済は成り立っているということを考えさせるほど大量にあったものをいただいてきた一枚である。
ここは茶平工業HPの「販売場所リスト」未掲載の「隠れ記念メダルスポット」である。
この水族館は割と最近リニューアルされたそうで、記念メダルも一新された(らしい)。未開の地、九州は福岡にあるのでいまだ行けていないが、九州一周旅行を計画し、必ず行きたい場所である。詳細はそのときまた改めて。
「中道」が読めん。「ちゅうどう」と読んでしまうのは誰もが通る道のはず。
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